暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
Side Story
変わりゆく者達へ 〜Message from will of the primitive〜
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んだよ。創造神(わたし)、結構頑張ったんだから! えへんっ!

 ……………………ごめん。置いてきぼりにするつもりは無かったんだけど、私以外と言を掛け合うなんて、あんまり経験してこなかったからさ。ちょっと浮かれちゃってるんだ。嬉しくて。
 ……ふふっ 君は本当に、私じゃないんだねぇ。
 ああ、意味が解らないよね。大丈夫。これから全部、順を追って説明するよ。あの子が少なからず気に入ったのであろう君には、創造神(わたし)を……というより、あの子をしっかり理解してほしいからね。
 長い長い昔語りになっちゃうけど、どうか最後まで聴いておくれ。そうして、君が此処から解放された後、あの子に創造神(わたし)の言を伝えてほしい。それが私からのお願い。
 私にはもう、これくらいしかしてあげられないから。



 さて。私達を理解してもらう為には、君達の世界の始まりを語らなければいけないね。君は、世界の成り立ちを何処まで理解しているのかな?
 ……ふむ。一となる私が居て万物を創造し、営みの制約と善悪を定めた、か。
 まさに「創造神」の扱いなんだねぇ、私。大雑把には合ってるけど、やっぱり微妙に間違ってるような気もするなぁ。
 よし。じゃあ、其処から始めようか。

 創造神はね。実の所、いつから・どうして・どうやって・何の為に生まれたのか、自分でも解らないんだ。ただ、気付いたら「何も無いな」って呟いてた。それが全ての始まり。
 うん。呟いた時点では、明るさも暗さも、暖かさも寒さも、音とか時間とか空間とかも一切無かったんだよ。そもそも、そういう概念すら無かった。匂いも感触も何も無い場所で、ただただ唐突に「何も無いな」って意識と言が生じたの。不思議でしょ?
 だから、当然のように続けて生じたのは「何かって、なに?」っていう疑問。
 後世を生きる君になら、なんとなくでも解るんじゃない? 生物は基本、関連事項の一端すら一度も見聞きしてない・本当に知らない物事など、自力だけでは到底考え付かないし、容易には受け入れない。
 思考は、外部から(もたら)される情報と、意識に蓄積された知識の連鎖なんだって。
 「何かが在る」という状況を知っていなければ「何も無い」という認識はできない筈なのに、何も無い場所で生まれた意識が、何も無い場所を「何も無い」と認識した矛盾。
 それが疑問を産み、疑問は思考を産んだ。情報となるものを得られず、知識も保有してなかった思考は、「何か」への正答を求めてひたすらに空転を繰り返し、やがて気付いたんだ。
 「何かって、なに?」と考えている「私」は「何」だ? ってね。
 創造神は思考を重ねる意識……即ち「自分自身」にも疑問を抱いて、「自分自身」というものに定義を求めた。
 「私」は知らない「何か」を知っている。
 「私」は知
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