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前世の知識があるベル君が竜具で頑張る話
あされん
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飛ばされた。

「うわ…痛そう…」

ベルが再び立ち上がり、アイズに短剣を振るう。

「根性あるな…」

「あ、あぁ、そ、そうだな」

彼等は、もし自分がベルの立場なら諦めてしまうだろうと思った。

だが、ベルは何度でもアイズへ向かっていく。

何度ベルが短剣を振っても、アイズには掠りもしない。

それどころかアイズの反撃により、ベルの体は傷ついていく。

「……見てられん」

「同意見だ」

だが、ベルはそれでも向かっていく。

たかが修行。いや、修行だからこそ、己の全てをぶつけようとしていた。

「………」

「………」

やがて、アイズの一撃を受けたベルが、動かなくなった。

そうして気を失ったベルに、アイズが膝枕をしてやっていた。

「飴と鞭だ…!?」

「意識がないから飴になってない…!?」

さらに数度、ベルが目覚めては気を失い、アイズがベルをボコボコにしては膝枕をした。

「あの新人には…うんと優しくしてやろう…」

「そうだな…。あれだけ傷ついた対価が膝枕ってのは…………………アイズさんのならアリか?」

「ナシだろ…」






side in

黄昏の館には大きな食堂がある。

皆その食堂で食事を取るのが決まりらしい。

幹部も、新入りも。もちろん主神も。

僕の隣ではアイズさんが朝食を取っている。

僕も朝ごはんのサンドイッチを食べていた。

「ようベル。朝からお前の悲鳴が聞こえてたぜ」

ポン、と頭に手を置かれ、後ろを見るとベートさんが立っていた。

「お早うございますベートさん」

「おう。隣座るぞ」

隣にベートさんが座ると、僕の小ささが目立つ。

パルゥムの血は引いてないと思うんだけどなぁ。

「ベート。何の用?」

「ん?どうかしたかアイズ?」

「何か、用があるんじゃないの?」

「特に……いや、ベルを弄りに来た」

最悪だ。最悪の答えだ。

「ベル。お前アイズに修行つけて貰ってるんだよな?」

「そうですよ」

するとベートさんはニヤァと笑った。

「なぁアイズ。一つ提案だ」

「なに?」

「もしもベルがお前に一撃入れられたら、何か褒美を与えるっていうのはどうだ?」

ご褒美?

「ん、わかった。ベルが私に一撃入れられたらご褒美あげる」

ご褒美…どんなのだろう?

「でも…」

ん?

「ご褒美ってどうすればいいのか知らない」

あ、そうなんだ…

「じゃぁよ、アイズ。『なんでも一つだけ言うこと聞く』ってのはどうだ?」

「そんなことでいいの?」

「男ならな。なぁ、ベル?」

え?そこ
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