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週末のリディアン音楽院では異変が起こっていた。「あの天*五輪武闘会からもう三か月か、早いものだな」みたいな感じで会話するシンフォギア装者の間に、深刻な顔をした切歌がいた。
「最近、クリスセンパイの様子がオカシイのデス」
クリスは「友達もいない」のに休日には毎週のように外出届を出し、外に遊びに行っているとの一報が、切歌から響達の耳に入れられた。
切歌と調だけの追跡では振り切られたので、今週は響、未来にも応援要請。翼とかマリアは仕事に忙しいので参加要請は見送られた。
「貧乏な高校生が、それもSONGの安月給では賄えないほどの贅沢をして、「回転しない寿司が美味かった」だの「食べ放題じゃない炭火の焼き肉を食った」とか、毎週のように新しい服や靴を持って帰って来て、ブランド物の財布とかバッグ、ケータイも流行りの最新機種を買ってモラッテイマス、それも「友達なんか一人もいない」センパイが遅くまで遊びまわって、帰ってきたときには声も出ないぐらいに喉をヤラれていて、ガラガラの声で月曜を迎えているのデス」
すでにクリスが何をしているのか、確信を得ているような表情で語る切歌。
「そ、それはやっぱり、友達とカラオケ……(クリスに友達は存在しない)一人カラオケとかで……」
悪い予感を振り払うように、安いカラオケ屋にお一人様で陣取り、ジュースやリモコン片手に歌っているクリスを想像して涙ぐんでしまう未来。
「まさか、ココロの中のオトモダチとか家族を作ってしまって、脳内で会話して家族パーティーでもしているつもりになって、何時間も全曲一人で歌い上げちゃってるんじゃあ?」
非常に失礼なことを考え、星飛雄馬の誕生日状態で、お一人様パーティーを毎週のように開催してヤラカシてしまって、脳内友達と笑いあい、会話も歌うのも食べるのも、全部「お一人様」なんじゃないかと想像してしまう。
日常アニメの「ゆゆ式」でガイジンさんに言われていたように、お母さんと呼ぶ先生とヒロインだけが実在の人物で、クラスメイトで部活仲間の二人は、別のクラスメイトからは「無視される」「居ないように振る舞われる」「話を適当に合わせて、会話できない人物に相槌で済ませる」のコンボで、脳内友達を発生させている気の毒な人だと結論付けられた。
そんな人物を一般生徒から隔離したり、アッチの世界に旅立ってしまった人物を経過観察するために部室に一人で閉じ込められているのが「ゆゆ式」と言う治療方法で、教師で精神科医からの経過観察日誌だと言われていたが、クリスもその同類で、家族を失って寂しすぎて、壊れてしまってアチラの世界に旅立ってしまっている人扱いをされてしまった。
「そんな寂しい思いをさせてたなんてっ! 私達が付いていながらっ」
路上でぶっ倒れていた所を拾って来て、デカイ乳をした女に体操服を貸したり、クリ
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