暁 〜小説投稿サイト〜
魔女の付き人(仮)
刹那の邂逅
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凹みを刻み、満身創痍の状態だ。
 
「ゲホ…ゲホッ!」
「うぅぅ…痛ェ…、痛ェよぉ……。」
「一体…、何が…?」
「申し訳ございません…。し…侵入者です…!」
「そんなの見れば分かるわ。」

 その女性は冷めた目で吹き飛んできた門兵を見下ろす。
 


「失礼。」

 現れるは一人の男性。

 右手に奇抜な装飾が施された杖を有し、首回りには大きなリングをぶら下げている。
 その身にダークカラーのローブ姿を着込み、深紅の瞳で此方を射抜いていた。
 髪の色は黒である。

 その人物は杖を打ち鳴らし、この惨状と化した場に悠々と入室してきた。
 
「…貴方は?」

 門兵などもはや見向きもせずその女性は件の人物であるウィスを見やる。

「私の名前はウィス。本日は貴方に会いにきました。」

 邪魔をしてきた門兵達は軒並み吹き飛んでもらった。
 眼前の女性はウィスを測りかねているのか何も言葉を発さない。
 
「…やはり似ていますね、貴方は。」
 
 ウィスは彼女に構うことなく、言葉を続ける。

「その身から放たれる魔力の質に、ピンクの髪。そして顔付きもどこか似ています。やはり貴方を見ているとドロシーを連想します。」 

 漆黒のドレスにその魅惑的な肢体を包み、ドロシーを強く連想させる女性。
 口元は漆黒のマスクで覆い、表情は伺い知れない。

「まさかドロシーの"姉"である貴方がこんな場所にいるとは思いもしませんでしたよ。」

 そう、彼女こそドロシーの実の姉であり、血を分けた姉妹。

「そうですよね。元カルデア所属の魔女、"ディアナ"?」

「…何故、それを?」

 目を見開き、僅かに驚いた様子で"ディアナ"はウィスを見据える。

「そんなに驚くことはないでしょう。私はただ調べただけです。」

 杖を使用すれば過去の事象を知ることなど容易だ。
 そして魔力を感知すれば彼女の居場所を割り出すのもどうということもなかった。
 だがそんなことよりも……

「そう、その眼、…その眼ですよ。」

 この目を自分は知っている。

「貴方は今の世界の有り様に絶望し、世界を救済しようとしている者の目をしてします。」

 ウィスが回顧するは一匹の獣の存在。
 誰よりも人類を愛していたがゆえに死という結果を許容できずに人類の可能性を認めなかったモノ。

「世界を浄化し、悲劇無き世界を創生しようと必死ですね、貴方は?」

 ウィスは彼女の深層心理を読み取っていく。

「…そこまで、知っているとは驚きだわ。」

 ディアナは驚嘆と共にウィスに対する好奇心を刺激される。
 此方の企みと大願を此処まで熟知しているとは。

「それで、貴方は私を止めに来た
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