刹那の邂逅
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無事、ギンタ達は伝説のARMバッポを手に入れた。
誰一人として怪我を負うことはなく、彼らはバッポが眠っていた神殿から帰還することに成功する。
見れば自称紳士であるバッポは今、今宵の遣い手兼相棒であるギンタと戯れている。
ウィスはドロシーと今後の活動の方針を話し合っていた。
「本当にウィスは私と一緒に行動しないの?」
「ああ、少し確認したいことがあるからな。」
既にウィスはドロシーに対する言葉遣いを改めている。
もう他人行儀は必要ないと考えてのことだ。
「それにしても言葉遣い変わったわね、ウィス?」
「嫌なら直すが?」
どちらもウィスの素だがもう必要ない。
あくまであの敬語口調は距離感を測るためのものだ。
「ううん、そっちの方が私の好みだわ。」
それは良かった。
それにしてもドロシーは随分と大胆な発言をする。
「それにしても気になることって何?」
「この世界そのものについて…だな。」
一度、この世界について深く調べる必要がある。
世界に満ちる潤沢なる魔力と神秘。
だがそれと同時に存在する邪悪なる魔力。
ドロシーの様に善なる魔力の持ち主とは相反する存在である邪悪なる魔力の存在。
そして遥か遠方から感知できるドロシーと類似する魔力の持ち主である女性の存在。
だがその女性の魔力は酷く汚され、善なる存在からは乖離している。
彼女に纏わりつくはこの世界で最も邪悪な人でもなく、生物でもない、概念的な存在。
一度その女性と出会う必要があるだろう。
ドロシーは軽快で人を食った様な女性であるが、何かの信念の元生きている。
まだ推測の域を出ないがウィスが現在進行形で感知し続けているこの女性と何か関係しているような気がしてならなかった。
ドロシーと似た魔力の持ち主、つまり彼女はドロシーと近親者がである可能性が高い。
あるいは姉妹の可能性も浮上してくる。
「この世界について…?」
見ればドロシーはウィスの言葉ぬ要領を得ることができず、首を傾けている。
そんな彼女にウィスは意味深な笑みを浮かべ、背を向けた。
ウィスは杖を地面へと軽く打ち鳴らす。
途端、眩いまでの白銀の光が周囲に迸った。
その光はウィスの周囲を円を描くように循環し、包み込み、その輝きを強く増していく。
白銀の光は強く迸り、幾度も循環し、周囲を幻想的に照らし出す。
やがてその白銀の光は即座にウィスを包み込み、途轍もない速度で天へと昇っていった。
そして天へと昇る最中その光は突如消え失せる。
ウィスの姿は既になく、先程までの輝きが嘘のようにその場には閑散とした光景が広がっていた。
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