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とある3年4組の卑怯者
144 誓約
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習してきたんだって」
「そうか、強敵だね」
「うん、でも黄花さんだけじゃなくて、皆そうよ。今までの大会よりも厳しくなると思うワ」
「そうだね・・・」
 その時、二人の横から声が聞こえた。
「ほう、大会が男女一緒だからって恋愛しちゃってんのかな〜?」
 振り向いてみると一人の男子がいた。
「な、何だ、君は?」
「俺は四国大会で金賞を獲った大串啓太(おおぐしけいた)だよ〜。お似合いだね〜」
「う、うるさいな!そんな事どうでもいいだろ!!君も練習したらどうなんだ!?」
「ああ、するよ。そういうお前達も練習した方がいいんじゃないのかな〜?」
「うるさいワね、あっち行きなさいよ!」
「そうだよ!変な勘違いはよしてくれよ!」
「おっほ〜い」
「もう、藤木君、また後でね」
「う、うん」
 大串のせいで藤木と美葡は別れた。
「あ〜、嫌われちゃったねえ〜」
「うるさい!嫌われるも何も僕には他に好きな人がいるんだ!」
「え、えええ〜!そうなんだ〜」
 大串は驚いた。藤木は墓穴を掘ってしまい、その場でどうしようと思った。
(し、しまった。とにかくこいつから離れよう!)
「ぼ、僕は練習を始めるよ!!」
 藤木は大串から離れようと練習を再開した。
(まったく、何だよ、アイツは・・・)
 藤木は大串のしつこさに嫌になった。

 藤木は昼食は両親と共に付近の飲食店で食べる事にした。
「茂、お前色んな子と仲良くなってるようだな」
「う、見てたのかい?」
「もちろんだよ。楽しそうだったね。本番も楽しくなるんじゃないのかい?」
「そ、そうかな?」
「まあ、お前ならきっと賞を獲れると思うぞ!」
「ありがとう、父さん、母さん、僕、絶対に賞を獲るよ!!」
 藤木は絶対に金、銀、銅のいずれかを獲り、世界大会へと出場したかった。それが彼の目標でもあるのだから。そして両親の察する通り、藤木は他の出場者と仲良くなっていた(そうでない者もいるが)。確かに緊張はするけど楽しい事もあるかもしれない。藤木はそう考えていた。

 夕方になり、スケートの出場者はスケート場の中にある会議室に集まった。協会の人間と思われる女性が話を始めた。
「それでは、皆さま、本日はご来場いただきまして、誠にありがとうございます。これからアマチュア小学生スケート全国大会についての説明を行いたいと思います」
 女性は話を続けた。
「まず、前半に男子の部、後半に女子の部を行います。演技する順番はこちらで決定してありますのでお手元のプリントをよくご確認ください」
 藤木は机の上に置いてある資料のプリントを確認した。順番はよく見ると自分は最後から二番目だった。さらに自分の前に滑るのが瓜原である。
(僕と瓜原君が後ろの方か。銅、銀、金の順に並んでいるな・・・。細かい順
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