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SAO−銀ノ月−
乙彼
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思っていたけれど。それをあのタイミングで告白する意図は分からず、結局は首をひねるのみだった。

 ……とはいえ、意味はよく分からないにしろ。きっと彼女からすれば、勇気を出しきった一言だったのだろうけれど。


「あー…………!」

 リズベット――篠崎里香がログアウトして最初に行ったことは、直前の自分の行動を冷静に思い返して、ベットの上でのたうち回ることだった。唐突な地獄から響いたような叫び声に驚いた家族から、心配するような声が向けられるものの、理由をばか正直に言うわけもなく「なんでもない!」と叫んでごまかして。

「なに言ってんの……あたし……あー!」

 とはいえこの状態ではまた叫んでしまいそうなので、お気に入りのフカフカの枕に顔を埋めて叫ばないようにしながら、足だけでもベットの上でバタバタと動かしていく。用事があるのは本当のことだったが、時間の余裕はまだまだあり、許す限りは彼と過ごす予定だった筈なのに、里香から逃げるように立ち去ってしまった。原因は明らかだったが。

「あー……ああ……」

 それからしばし、枕に顔を埋めてバタバタするなんて、まさか里香本人もするとは思っていなかった古典的なことを繰り返して。ようやく落ち着いたことで、ゆっくりとベットの上で回転して仰向けになり、天井を見上げる形になって。

「……明日、どんな顔して会えばいいのよ……」

 慣れ親しんだ天井を見上げることで、表面上は多少なりとも落ち着きながら。まるで、自分が、そう……彼を求めているかのような。いや、求めていないというのならば嘘になってしまうが、こんな風に言ってしまって、そんな女だと思われていないだろうか――と、表面上でない面は、相変わらず落ち着いているなどとは欠片も言えなかったが。

『……愛してる』

「……えへへ」

 一つだけはっきりしていることは、思い悩みベットの上でジタバタする里香の表情は、ニヤニヤとしまりのない笑顔で固定されてるということ。瞳を閉じれば、あんなことを言ってしまった後悔とともに、鮮明に彼の言葉が再生される。根暗で見栄っ張りで照れ屋で優しい、滅多に聞けないあちらの世界の彼の言葉が。

 そう、そもそも里香がこんな動揺する羽目になったのも、彼からの誕生日プレゼントのせい以外の何者でもなく。いきなりあんなこと言ってくるからだ、責任とれ――などと、理不尽なことを思いながら、里香は枕元に置いてあった携帯端末を起動して。

「……次はこっちで言いなさいよね」

 そこに待ち受けとして表示されているのは、いつだか撮影した二人のツーショット。間違えても眠ってしまわないようにベットに座り込みながら、八つ当たりも兼ねて、困ったような表情で笑う彼の写真を指でつついて。にへら、と笑って崩れた顔を端末に向けて、彼
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