伝説のARM バッポ
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大自然が蔓延る草原にてウィスとドロシーの2人が向かい合っていた。
否、好奇心に駆られたウィスがドロシーに迫っているのである。
「その伝説のARMであるバッポは今、何処に?」
「あ…あのえっと、その……。」
肩を抑えられ、ウィスの端正な顏を近付けられているドロシーは今、狼狽していた。
先程までの勢いが嘘のように消え、目をウロウロと彷徨わせている。
正直な話、普段グイグイ来る性格であるドロシーはこのような攻めに耐性はない。
彼女は攻めに弱いタイプなのだ。
だがそんなことは今、ウィスには関係なかった。
この世界の伝説のARMのことでウィスの頭の中は一杯なのである。
悠久の時を生きるウィスにとって娯楽は常に求め続けているものであり、愉悦なのだから。
「さあ、そのバッポとやらは何処に?」
「え…えっと、ここより先に存在する……。」
そして遂に、頬を染めたドロシーがそのバッポの居場所を喋ろうとし……
「……!」
突如、ウィスの知覚範囲に強く感じる気配が現れた。
この世界と対立するように存在する世界、否、平衡世界とも呼ぶべき世界との繋がりが生じたのだ。
この世界と密接な関係を有しているにも関わらず、明確な壁とも呼ぶべき隔たりが存在し、互いに不干渉な関係を築いている此処とは異なる世界からの来訪者がこの場へと辿り着いた。
そしてウィスがこの世界へと辿り着く契機となったあの門の魔力と、とある一人の人間の気配も同時にウィスは感じる。
「…。」
「え…えっと、どうしたの、ウィス?」
先程までの攻め入る様な勢いは消え、ウィスはどこまでも真剣な表情を浮かべる。
紅玉の瞳は此処ではない何処かを見据え、当人の放つ雰囲気も一変していた。
ドロシーはそんなウィスの変貌に戸惑わざるを得ない。
だがウィスは応えない。
「……え?」
ドロシーが気付いた時にはウィスの姿は消え、この場の何処にも存在していなかった。
??????
ウィスは空を駆け、宙を跳び、高速移動を行うことで異なる世界からの来訪者の下へと赴いていた。
呆けるドロシーをあの場に残し、ウィスは心の内から湧き上がる好奇心の下この世界を闊歩する。
「……見つけた。」
年は15歳前後。
身長は160後半。
髪は黄色、服装は学生服。
現在、その少年は眼下の草原を走り回っている。
ウィスは目的の人物を発見し、遥か上空から眼下の大地へと降り立った。
「凄ぇ!凄ぇ!スゲー、この世界ワクワクが一杯だ!!」
その件の少年である"ギンタ"は内から吹き出
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