異世界への扉 ─門番ピエロ─
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」
「いえ、別に構いませんよ……。では、ドロシー。これで構いませんか?」
「ええ、これからよろしくね、ウィス。」
アキトとドロシー改めて握手を交わす。
「そう言えば私が粉微塵にしたあの鉄クズは何なんですか?」
「鉄クズって…、あれはARMよ。」
溜息を吐き、此方をジト目で見てくるドロシー。
「ARM?」
「ウィスは何らかのARMを使って最弱とはいえ私のガーディアンARMを倒したんじゃないの?」
「いえ、ただの身体能力ですが?」
ウィスさん嘘つかない、信じて。
「─。」
ドロシーは信じられないとばかりに此方を訝しげに見てくる。
だが残念、嘘は言っていないのだ。
「本当にウィスはARM無しで倒したの?」
「ええ。」
どこか得意げな表情のウィス。
「はぁ……、その軽装じゃARMは持っていないだろうし、魔力も僅かにしか感じられないから嘘は言っていないのだろうけど……。」
「初対面のドロシーに?を言ってもしょうがないでしょう?」
「まあ、そうだけど……。」
ドロシーはどこか腑に落ちない表情を浮かべる。
「ふーん。じゃあウィスは素の身体能力でARMを倒す力を持っているわけだ。」
顎に手を当て、魅惑的な笑みを浮かべるドロシー。
この顔は何か悪だくみを企てている顔だ。
「ねぇ、ウィス。私はこれからある洞窟に向かおうと思っているんだけどウィスにも来てほし…」
「では、ドロシー。縁があればまた会いましょう。」
男・ウィスはクールに去るぜ。
ウィスは後ろのドロシーに手を振りながら歩きだす。
面倒事に関わるのは御免だ。
「ちょっと待ってよ、ウィス!?」
「…離してください!ドロシーの話からは面倒事の匂いがプンブンするんですよ!!」
ウィスは背中に抱きつくドロシーを振りほどこうとする。
「そんなこと言わずに!?」
「体のいいこと言って私を囮にするつもりですよね!?」
魂胆は見えているのだ。
背に抱き着くドロシーを引きずり、ウィスは歩き続ける。
「そっ…そんなことは考えていないわよ!?」
「なら私と目を合わせて話してください!?」
図星を突かれ目を泳がせるドロシー。
「あ、そうだ!!その洞窟にはバッポっていう伝説級のARMがあるって噂よ!!?」
ウィスを引き止めようと必死なドロシー。
「……。」
「わぷっ。」
突如、ウィスは抵抗を止め、歩みを止める。
ドロシーは急に立ち止まったウィスの背中に自身の顔をぶつけてしまう。
ウィスはドロシーの両肩を掴み、顔を近づけた。
ドロシーの顔が赤く染まっているがウィスに気にする余裕はない。
「ふぇ!?」
「
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