異世界への扉 ─門番ピエロ─
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意識が覚醒すれば遥か上空。
冷気が肌を刺し、ウィスは宇宙を一望できる程の高さに放り出されていた。
大気に溢れるは神代には及ばずとも潤沢なる魔力が満ち溢れている。
間違いない、完全なる異世界だ。
そしてウィスは現状、途轍もない速度で眼下の地面へと落下していた。
大気との間で生じた摩擦熱によりその身を炎が包み込み、破門状の衝撃波を生み出しながらウィスは墜落していく。
その身に掛かる膨大な重力はウィスを勢い良く墜落させ、大地との激突により肢体は爆発四散─
─することはなく地面すれすれで不自然に急停止した。
「ここは─」
見渡す限りに広がるは広大なまでの大自然。
大気に溢れるは神代以降の廃れたモノではなく、まだ神秘が存在していた時代と似たような魔力が大気に満ち溢れている。
そんなウィスの後方から迫る影が。
ウィスは何と無しに振り返る。
そこには……
ロボットにも似た敵が佇んでいた。
その身を強固な鋼鉄のアーマーが覆っている。
無言のままウィスへと勢い良く突進してくる敵。
此方と対話をするつもりは毛頭ないようだ。
奴はその強固な腕を振りかざし、無防備なウィスを軽々と吹き飛ばす─
─ことはなく、ウィスの姿は虚空へと幻影のように掻き消える。
無論、それはウィスが創り出した残像であった。
一瞬にして両者の立ち位置が逆転する。
敵背後にはウィスが佇んでいた。
正に神速。
瞬きも許さない程の高速移動である。
見れば感情を有さないはずの敵が驚愕したかのように肩を震わせていた。
ウィスは掌の中指を折り曲げ、親指の腹で抑え、敵の額を打ち据える。
破門状の衝撃波が周囲へと波及し、頭部を大きく陥没させた後、遥か上空へと吹き飛んだ。
そして宙に無残に放り出された鉄クズへと右手の人差し指と中指を突き出し─
鉄クズは空中で無残にも爆発四散。サヨナラ!
鉄クズは粉微塵になり、跡形もなく消え失せる。
宙にて飛散した銀の粒子が周囲を幻想的に照らし出す。
「ふーん、あれを簡単に倒すなんてやるわね、あんた。」
上機嫌なウィスに声をかける者が。
頭上から響くは澄み切ったソプラノ声。
見れば箒に乗った女性が宙に浮きながらウィスを見下ろしていた。
その魅惑的な肢体を露出が激しい服装が包み、腰まで届く長さのピンクの髪をツインテールへと編んでいる。身長は女性にしては高く、ウィスと同じく紅玉の瞳を有している。
そんな2人
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