ペルソナ3
2046話
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美鶴とのデートを終えて旅館に戻ってきた俺達を待っていたのは……ある意味当然ではあったが、ゆかりだった。
「美鶴先輩、どうやらその様子だと色々と成功したみたいですね」
「ゆかり……」
ゆかりの言葉に、美鶴は照れ臭そうにしながらも、嬉しそうな笑みを浮かべる。
……普段凜々しい女として有名な美鶴がそのような真似をしていれば、当然のようにそれは目立つ訳で……
「お、おい。あれ見ろよ。桐条先輩とアルマーが一緒にいるぞ。しかも、桐条先輩が頬を赤くして照れてる」
「嘘だろ? 一体、何があったんだよ」
「馬鹿ね。そんなの決まってるじゃない。男と女。修学旅行。自由行動。これで気が付かない方がどうかしてるわよ」
「待て。え? いや、だって、ほら。アルマーは岳羽さんと付き合ってる筈だろ?」
「……甘い。甘すぎるわ。私の見たところ、アルマー君ってかなり女慣れしてるわよ。それこそ、何人恋人がいてもおかしくないくらいにね。それに……帰ってきたあの2人を岳羽さんが待ってるのを見れば、その辺りの事情は考えるまでもないじゃない」
「ぐっ、そ、それは……」
「つまり、アルマー君は岳羽さんと桐条先輩の2人と……いえ、私の勘ではそれよりももっと多くの女と付き合ってるのよ!」
「はあぁっ!? あの2人以外とも!? 嘘だろ、そんなの……」
少し離れた場所で話しているその声は、当然のように俺の耳には入ってきている。
ゆかりや美鶴の耳には入っていないようだったが、混沌精霊である俺の五感は、直かを含めて常人とは比べものにならない程に鋭くなっている。……時々聞こえにくい時とかはあるけど。
「爆発しろ」
「もげろ」
「捻られろ」
「噛み千切られろ」
「引っかかれろ」
「……あんた達、こういう時だけはチームワークがいいのね。それに、いつの間にか人数が増えてるし」
呆れた様子で、女の勘から俺の恋愛事情を予想した女が呟く。
女の勘が鋭いってのは、それこそ千鶴とかとの関係でよく分かってはいたが……いや、うん。まさかそこまで推測されるとは、思ってもいなかった。
それも、証拠の類とかは殆どない状況で。……まぁ、今のこの状況が何よりの証拠だと言われれば、それは覆しようもないんだが。
「あれ、アルマー。どうしたの?」
俺に怨念を向けていた男達をどうするべきかと考えていると、不意にそんな声が聞こえてくる。
声のした方に視線を向けると、そこには有里、山岸、アイギスの姿があった。
どうやら、この3人も自由時間の帰りなのだろう。
……有里も、山岸と2人だけで自由時間を楽しみたかっただろうに。
アイギスは常に有里と一緒にいるんだよな。
もし俺だったら、恐らく我慢出来ないんじゃないかと思うくらいに。
そういう意味では
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