ペルソナ3
2046話
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だが、どうやら最後まで独り占めという風には出来なかったということだろう。
もっとも、この旅館の客が俺だけという訳ではなく、月光館学園の生徒が来ているのを考えれば、それは別に不思議でも何でもない。
「それで、ゆかり。アクセルは、その……やはりキスは上手いのか?」
「上手いなんてもんじゃないですよ。下手をすると、キスだけで腰砕けになりますからね」
「……そうなのか。では、私は手加減されていたのだな」
「でしょうね。私なんか、随分と貪られましたし」
「むさっ!?」
……その声が誰のものなのかは、それこそ考えるまでもない。
明らかに、ゆかりと美鶴……俺の2人の恋人のものだ。
今は男の時間の筈なのだが、何故入ってくる?
そんな疑問を抱くが、せめてもの救いは聞こえてくる声がゆかりと美鶴、2人だけのものだという事か。
山岸やチドリ、アイギスといった、いつもの面子の中でも他の女がいないのは、助かったと言える。
もしいたら、色々と悲惨な事になっていたのは間違いない。
そんな風に考えていると、やがて露天風呂の扉が開き……身体にバスタオルを巻いてはいるが、高校生の平均以上に発達した肢体をしている事を隠しきれていないゆかりと、成熟した大人の女と表現しても構わない程の肢体を持つ美鶴が姿を見せるのだった。
「……え?」
露天風呂に入ってきたゆかりが、そこで堂々と風呂の中に入っている俺を見て、一瞬動きが止まる。
まさか、この状況でここに俺がいるとは思ってもいなかったのだろう。
「よう。まぁ、入れよ」
「アクセル……?」
美鶴もまた、唖然とした視線を俺に向けている。
「折角の露天風呂なんだし、冷えないうちに早く入ったらどうだ? 風呂に入ってないと、結構寒いだろ?」
「いや、そうじゃなくて……何であんたがここにいるのよ!」
我に返ったように叫ぶゆかりに、俺は肩をすくめる。
「そう言ってもな。俺は普通に露天風呂を楽しんでいただけだ」
そう言う俺の言葉に、ゆかりと美鶴は何かを言おうとし……だが、お互いに顔を見つめると、頬を赤く染めながらも頷き、バスタオルの上からだが軽くお湯で流し、露天風呂の中に入ってくる。
……バスタオルを風呂の中に入れるのはどうかと思うが、それを言えばきっと色々と大変な事になるので、言わないでおこう。
そう考えつつ、俺は2人の恋人との混浴を楽しむのだった。
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