ペルソナ3
2046話
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普通に考えれば、それこそ俺を苛めようとする者達が出て来ても、おかしくはない。
それが出来ないのは、美鶴達と親しいからというのもあるし、俺の後で転校してきた有里とも一緒に行動する事が多いというのがある。
特に有里のファンクラブは厳然とした影響力を持っているので、そういう連中に睨まれたいと思う者はそう多くはないだろう。
そして何より、俺はポートアイランド駅の裏側でもかなり名前が知られている。
ヤンキー漫画を素で行っているようなあの場所で名前が知られている……それどころか、名前が知られつつ恐れられているという事は、何だかんだと進学校の月光館学園の生徒にとって、俺に手出し出来ない最大の理由となっていた。
勿論、手出しが出来ないからといって、俺に対する嫉妬の類が消える訳ではないので、その結果裏掲示板で俺が盛大に叩かれる結果となっているのだろうが。
「ふーん。アルマー君なら、人気があるように思えるけどね。成績もいいし、運動に関しても抜群だって聞いたよ?」
誰からそれを聞いたのやら。
有里達か、それとも望月がナンパしている女達か。
「それが気にくわないって奴もいるんだろうな」
そう言い、俺はこの場にいる全員と話をする。
そうして話している間にも時間は流れ……そろそろ、部屋に戻って寝る準備をした方がいい時間となる。
「ん? ああ、もうこんな時間か。……俺は風呂に入ってくるけど、お前達はどうする?」
「うん? 生憎だが、俺は遠慮しておく。何だかんだと今日は忙しくて、訓練をする暇がなかったからな。今から筋トレだ」
真田がそう言い、有里は山岸と、順平はチドリと会う用件があり、望月はナンパした女との逢い引きがあるとかいう事で、それぞれ自分の部屋に戻っていく。
……まぁ、別に風呂くらいは1人で入れるだろうし、構わないんだけどな。
そうして、結局その場で解散する事になり、俺は風呂に向かう。
大浴場でもよかったのだが、幸い今の時間は露天風呂が男の時間だった筈だ。
そんな訳で、俺は真っ直ぐ露天風呂に向かう。
「へぇ、貸し切りか」
てっきり、誰かが風呂の中にいるのかと思ったが、誰もこの露天風呂にいる様子はない。
岩があるというのも、露天風呂らしいよな。
そんな岩に寄りかかりながら、俺は目を閉じる。
すると聞こえてくるのは、旅館の近くを流れている鴨川の水音や、風が草を揺らす音。
空には月が昇っており、雲一つ存在しない。
まさに、露天風呂に入るという意味では絶景と言えるだろう。
そんな満月を眺めて、どれくらいの時間が経ったのか……不意に、脱衣所の方から物音が聞こえてくる。
ちっ、どうやら俺以外にも風呂に入ろうと考えた奴がいたらしい。
折角露天風呂を楽しんでいたの
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