ペルソナ3
2046話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、有里は我慢強いよな。
山岸の方も、ゆかりのように気の強さがない代わりに内気な性格が関係しているのか、今のところはアイギスに関して有里と喧嘩になるような事はない。
もっとも、それはあくまでも俺が見ている限りであって、実は俺が……そして誰も見ていない場所で喧嘩をしている可能性は十分にあるんだが。
「いや、別に何でもない。ただ、ちょうど俺達も戻ってきたところだよ」
「ふーん。……そうなの? けど……あ」
ゆかりを見て一瞬疑問を感じた様子の有里だったが、美鶴を見た瞬間、何かを納得したかのように、小さく頷く。
もしかして、今の俺達の状態を見ただけで、俺と美鶴が付き合う事になったのに気が付いたのか?
いや、まさかな。
「おめでとう」
……そう思ったんだが、有里の口から出た言葉を考えると、間違いなく俺と美鶴の関係には気が付いていると思ってもいい。
「何で分かった?」
一瞬誤魔化そうかとも思ったが、有里は完全に確信している様子だ。
だとすれば、ここで誤魔化しても意味はないと判断し、そう尋ねる。
「だって、桐条先輩がアルマーに気があるのなんて、見れば分かるし」
「何!?」
有里の言葉に驚いたのは、俺……ではく、美鶴。
まさか美鶴も、自分が俺を好きだという事に気が付かれているとは思っていなかったのだろう。
まぁ、それに気が付いていなかった俺が言うのもなんだが。
もっとも、幾ら俺でも美鶴に好意を持たれているのには気が付いていた。
だが、俺の場合は、その好意が男女間のものだとは思わず、いわゆる同士的なものだとばかり思っていた。
「その……桐条先輩。こういう事を言ってもいいのかどうか分かりませんけど、おめでとうございます」
すこし複雑そうな様子で美鶴にそう言うのは、山岸。
一般人――ペルソナ使いという時点で一般人とは呼べないが――の山岸にとって、やはりゆかりと美鶴の2人と一緒に付き合うってのは、完全に納得や理解の出来ないところがあるのだろう。
そんな状況下であっても、美鶴の想いが成就したのを喜ぶんだから、人が良いよな。
もっとも、ホワイトスターの方にまだ俺の恋人が10人以上もいると知れば、その辺り、どう反応するのかは分からないが。
「ふふっ、ありがとう」
ともあれ、山岸からの祝いの言葉に感謝の言葉を述べる美鶴は、女として非常に嬉しそうな様子を見せていたのは、間違いない。
日本の常識から美鶴の判断が間違っていると言いたい奴は、美鶴のこの表情を見てから言って貰いたいものだ。
まぁ、それはそれ……と、そう言いたい奴も出てくるのだが。
ともあれ、このままここにいても、憶測に憶測を――真実も混ざっているだろうが――呼び、いらない騒動を引き起こす事
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ