生存戦 3
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芳は開始早々に相手の糧道を断ち、その後は防戦一方。ひたすら身を隠して戦闘を避けている。
食料を失ったあせりと、予期せぬ攻撃に晒された怒りに駆られた生徒たちは秋芳を探すことに躍起になったが、これは秋芳の誘いであった。
野営の跡をあえて残すことで追跡者たちを迷いの森の深部に、より過酷な環境に追い込んだ。
広大な平原には大小無数の池沼が点在している。いや、沼のあいだに陸地が点在していると言ったほうが正確なのかもしれない。
わずかばかりの固い地面を探しながら進まなければならないので、そこはまるで巨大な迷路だった。
なんとか歩ける固さの地面はどこも湿っており、一歩あるくごとに水がじわりと染み出して、ひどいところでは膝まで泥に沈んでしまう。
視界を晒されたぎる葦や木々が密生していて、魔術で燃やしたり切り開きながら進まねばならないところもあった。
よどんだ沼の放つ腐敗臭は酷く、蛭や蚊にも悩まされた。
「もうダメだ。腹が減って動けねぇ……」
慣れない自然環境と飢えと渇きの前に気力と体力を失い、降参する生徒。
「き、きもち悪うゥゥゥいいいぃぃぃィィィ……ウボァーッ! お、オエーッ! ゲェーッ! お、おおうおぉぅえっ! うえっ! ヴぉおおごおおおぇえええッ! ぼふぉきゃおぇッ! うげぇェェェッッッ!! ごばぁーっ、ゲホッゲホッ……ごばぁ……おぅぇっおえぇ……ごばぁ……げほごほ……ブォッエェェエェェ……ベチャチャチャ……」
飢えに耐えかねて口にした野草の毒にあたり、大量に吐瀉する生徒。
「は、腹が痛ぇぇぇェェェ」
うんこぶりぶりブリブリぶりぶりブリブリぶりぶりブリィッッッッッ!!! プッッー!!! ブチャァァァッ!! ブフォッ! ブフォッ! ゾンギン!! ゾフッ!! キュゴガッ!! ゾザザザガギギギ!! ……ビチッビチチチチチチッ、ブチュルルル……ブチャ……プスゥ……、ブビッブピッ、ブリッ…………。……ぢゅっぢゅぅぅ、チュミチューン、ブリブリッ、ブッ、ブス〜、……ブッ、ププッ、ブビッ、ブリブリッ、ブビィーッ、ブリブリブリブリ…………。
おなじく毒草に当たり、激しい腹痛と下痢に脱水症状になる生徒。
ひとり、またひとりと、リタイアする者が続出した。
そんな彼らをよそに秋芳は普段は街中では手に入らない錬金素材を入手したりと、野外実習を満喫中だ。
「さぁて、今宵の寝床はこの樹の上にするか。しかし――」
地面についた、多数の大蛇が這い回ったような跡が気になった。
「ある種の蛇は集団で狩りをしたり交尾をするそうだが……」
迷いの森は深く、広い。
奥に行けば行くほど剣呑な生物にあふれ、魔獣すら生息している。いまだに未知の動植物が発見されることもあるくらいだが、生存戦の舞台に選ば
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