第二十六話:殺人鬼、帰省す。
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「ラシャ……」
なにか濡れを帯びた様な甘えた声で千冬が耳打ちする。此処まで来て意味を察することが出来ないほどラシャは愚かではない。
「一夏が居るぞ?」
「あいつは長風呂だ、上がるにはまだ時間が……!!」
千冬の表情が凍りつくと同時に、ラシャの背後から何かが雪崩落ちる音と、女の悲鳴が聞こえた。
「イタタタ……鈴さん!寄りかかりすぎですわ!」
「セシリアのお尻が大きいからよく見えないのよ!!……あっ」
振り返ると、一夏と、最近彼とよく行動を共にしている一年の専用機持ち達が折り重なって倒れていた。いつの間にかシャワーから上がっていた一夏は、三人ほど──鈴、セシリアと呼ばれた少女とシャルロット・デュノアの下敷きになっている。
千冬の表情に朱色が戻る。ラシャの前にしか見せない只の女の子な『織斑千冬』からブリュンヒルデである『織斑先生』にギアチェンジする。
「お前たち、何時からそこに居た」
「の、ノーコメントです……?」
困惑顔で引きつった笑顔を浮かべるシャルロット。しかし、その横を千冬の手刀が掠める。
「わひゃあ!?」
「記憶を失え」
「マジよ、あの千冬さんはマジだわあああ!!」
「お、織斑先生がご乱心ですわぁ〜〜!?」
「逃げるな鳳、オルコット!!貴様らも記憶を失え!安心しろ、例えIS操縦技術が基本からすっぽ抜けても半日でもとに戻してやる!!」
「ひいいいいぃぃぃぃぃぃ!?」
この後、一夏が回復するまで織斑家を訪れてあわよくばひと夏の恋を堪能しようとしていた少女たちはホラー映画ばりのサバイバルを骨の髄まで味わう羽目になったとさ
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