ペルソナ3
2045話
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い事は言えない。ただ……多分、影時間の件が解決したら、色々と、それこそ俺が今は言えないような事も、話せるようになると思う。それでもいいいか?」
「ああ。……今はこれ以上聞かない。そういう事でいいんだな? その代わり、影時間が解決したら話すと」
そう言ってくる美鶴の髪を、肩を抱いていた手でそっと撫でる。
「……男にこうして髪を撫でられるのは、お父様以外では初めてだな」
「そうなのか? ……まぁ、今までの美鶴は色々と張り詰めていたからな。普通なら、そういう美鶴を気軽に撫でらないんだろ。そういう意味だと、俺は運が良かったんだな」
「馬鹿。処刑するぞ」
照れた様子を見せる美鶴。
普段の美鶴を知っている者が、もし今の美鶴を見たら……それは一体どういう事になるのか、ちょっと気になるな。
勿論、気になるだけで実際にそれを試したりするつもりはないが。
この美鶴は、俺だけの……もしくは俺とゆかりだけが見る事の出来る美鶴なのだから。
そのまま数分、俺は美鶴と寄り添いながら、その髪を撫で続ける。
殆ど会話らしい会話はなかったが、俺と美鶴にとっては、それで十分幸せな時間だった。
そうして会話をしている中で、ふと気になった事を美鶴に尋ねる。
「美鶴、お前の家の方で、俺との関係に何か言ってこないのか?」
そう、美鶴は桐条グループ総帥の令嬢だ。
そして桐条グループというのは、この世界でも有数の企業。
そのような家に生まれれば、この時代であっても政略結婚に近い形で結婚するという事が多いらしい。
であれば、美鶴の立場としても、当然のようにどこぞの企業なり何なりの男が許嫁にいたりしてもおかしくはない。
だが、そんな俺の言葉に美鶴は笑みを浮かべる。
「ふふっ、そういう話がなかった訳ではないがな。ただ、その話を持って来た親戚の者達に、お父様が怒ってな。結局ご破算になった」
「ご破算ってのは、普通望まない失敗の事を言うんじゃないのか?」
「いや、別にそういう感じはないが……まぁ、言われてみればそういうイメージもあるか」
少し考えた様子を見せる美鶴だったが、最終的にそういう結論に落ち着く。
にしても、武治は何だかんだと親馬鹿だからな。
そんな武治にとって、娘に政略結婚をさせようとする親戚というのは、それこそ害悪以外のなにものでもないだろう。
「ただ……もし、本当にもしの話だが、現在の状況で桐条グループが色々と危なければ、政略結婚もどうなっていたのか分からないな」
「危ない? 結局まだ影時間は解決してないけど、それでも危ないって訳じゃないのか?」
「そうなる。特に、アクセルから譲って貰った、タルタロス産のマジックアイテムの類を分析して得る事が出来た技術の類は大きい」
基本的にタル
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