ペルソナ3
2045話
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唇を重ねて美鶴の告白を受け入れた後、俺達の姿はまだ公園にあった。
美鶴に告白されるよりも前に、一緒に座っていたベンチに、こちらもまた同様に一緒に座っている。
ただし、違うのは1つ。
ベンチに座っている、俺と美鶴の距離だ。
告白される前は、俺と美鶴は一緒のベンチに座っていても、お互いの間に距離があった。
言うなれば、友人同士の距離感……といったところか。
だが、美鶴の告白を受け入れて恋人同士となった今は、ベンチに座っている俺と美鶴の間にある距離感はほぼ皆無と言ってもいい。
……まぁ、その美鶴は先程のキスからか、それともこの距離からかは分からないが、照れて顔を真っ赤にし、黙り込んでしまっているが。
そんな美鶴に手を伸ばし、肩を抱く。
「きゃっ!」
普段の凜々しい美鶴の口から出たとは、思えないような可愛らしい声。
それを聞く事が出来るのを嬉しく思いながら、俺は美鶴に話し掛ける。
「俺とこういう関係になったのはいいんだが……ゆかりから、どんな話を聞いてるんだ?」
俺と付き合っている女がゆかり以外にもいる。
その件については話を聞いていたようだが、それ以外、例えば俺が他の世界からやってきた事や、火星とかに自由に移動出来る……なんてのも、知られているのかどうか少し気になる。
ゆかりの性格を思えば、それこそ相手が美鶴であっても、そう簡単に俺の秘密を話すとは思えない。
そう理解はしているのだが……それでも、絶対確実にとは断言出来ない。
特にゆかりにとっては美鶴は自分と同じく、この世界で俺を愛するべき存在であるという共感さえ覚えていてもおかしくはない。
そうである以上、一応その辺りの事情を聞いておく必要はあった。
だが、俺に肩を抱かれて顔を赤く染めている美鶴は、そんな俺の言葉に首を横に振る。
「アクセルに何か事情があるというのは、私も予想出来ている。だが、ゆかりはその辺を特に何も言っていなかった。ただ……その……」
そこまで言うと、より一層美鶴の顔が赤くなる。
熱暴走でもしかねないでのではないかと思える程に、真っ赤に。
「その? なんだ?」
「……アクセルを好きでいて、愛するのなら、中途半端な気持ちでは意味がない、とだけ」
「まぁ、それは否定しない」
実際、俺を愛する……そして俺と一緒にこの先も生きるという事を選択した場合、それは不老になって永遠に俺と共に生きるという事を意味している。
今はまだいいが、将来的には友人や家族といった者達も、俺達よりも先に年老いて死んでしまうだろう。
そうして、俺達は残される事になる。
それは、普通の人間には耐えられない。
……まぁ、ゆかりもその辺までは言ってないとは思うが。
「そうだな。今はまだ詳し
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