第十一話 喜怒哀楽
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、実弾を使うことはないだろう。
「演習で使うのは実弾ではなく、被弾した箇所によって色が変わる特殊なペイント弾です。被弾したペイント弾の色によって、小破、中破、大破の3段階で判定するんですよ」
凰香の考えていることを見透かしたかのように初霜が頬杖をつきながらそう答えてくる。
しかし、演習とは言えどもなるべくベストコンディションで挑んでもらいたいところだ。このまま演習に行って実力を出し切らずに終わっても凰香としては見ていられない。艦娘のコンディションを保つのも提督の仕事だと教えられたし。
(あの手を使うか)
凰香はそう思うと初霜に言った。
「初霜さん、今日の演習で活躍したら美味しいものを食べさせてあげます」
「本当ですか!!」
凰香の言葉に、初霜はガバッと飛び起き、机の上で声を張り上げる。飯一つでここまで変わるものなのか。もうちょっと良い条件でやる気を出してほしいものだ。時雨達も初霜の身替りの速さに苦笑いしている。
「こうしてはいれません!!間宮さん!!早くご飯お願いします!!」
俄然やる気を出した初霜は机から飛び降りて、間宮にキラキラとした目を向ける。その姿に苦笑いを浮かべた間宮は奥に引っ込み、燃料と先端が丸い弾薬ーーーー恐らくペイント弾であろうものをトレーに乗せて持ってきた。
「提督!!必ずですからね!!」
間宮からトレイを受け取った初霜は念を押すようにそう言うと、すぐさま近くのテーブルに飛んでいった。手早く補給を済ませて艤装の手入れでもする気だろう。
まぁやる気を出したのだから、凰香が気にすることはない。
それよりもまずは自分達の朝食を作らねければならない。
(余り物で作れるものはっとーーーー)
その後、凰香達が作った朝食を前に手を合わせる横に、同じように手を合わせる初霜が居たのは言うまでもない。
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