第5章:幽世と魔導師
第157話「底知れぬ瘴気」
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〈“L?vateinn”!〉
ギィイイイン!!
焔を纏った大剣が、矢を弾く。
「唸れ!」
―――“Sturmwind”
同時に羽の黄緑色の宝石に込めた術式を起動。
未だに空中にいる守護者めがけて風の刃を大量に放つ。
「っ……!」
「逃がさない!」
霊力を足場に宙を蹴り、守護者は即座に地面に降りる。
そして、風の刃を回避しながらも私に近づこうとしてくる。
もちろん、私はそれを阻止するために魔力弾を放つ。
ギィイイイン!!
「っ……!」
尤も、そんな事をしても近づかれる時は近づかれるんだけどね。
鍔迫り合いにまで持ち込まれたけど、大丈夫。
ただでさえ“力”なら私の方が上なのに、私の攻撃で万全の体勢ではなかった。
……やっぱり、動きが鈍くなっている。
「はぁっ!」
「ッッ……!」
―――“呪黒剣”
お互いに鍔迫り合いの状態から術式を起動する。
至近距離で術同士はぶつかり合い、相殺される。
残ったのは、私が退路を断つために守護者の背後に放った呪黒剣だけ。
もちろん、その分、術式の数が足りずに私の体にはいくつもの術による傷が出来た。
でも、私の体なら再生するし、そこまで気にしない。……痛いけどね。
「ふっ!」
「っ!」
魔法陣を目の前に展開し、守護者の首を刈るようにシャルを振るう。
当然、それはしゃがんで躱される。でも、目的は別にある。
シャルを振るった勢いのまま、体を回転させる。
これで、守護者は“上に避ける”選択肢が潰された上に、退路を断たれた。
そのまま、回し蹴りを魔法陣に叩き込み、術式を起動させる!
「いっけぇえええええ!!」
〈“Durchbohren Beschie?ung”〉
お兄ちゃんが使っていた魔法は、私も頑張って習得した。
これも、その一つ。その威力は、当然ながら高い!
「ッッ!!」
―――“扇技・護法障壁-真髄-”
避ける事ができない守護者は、障壁で凌ごうとする。
でもね、実はその魔法。とこよさんのお墨付きの威力なんだ。
……咄嗟に張った障壁程度、突き破るよ!
ドンッ!!
「ッァ……!?」
障壁でほとんど威力が殺されたとはいえ、砲撃魔法で守護者は吹き飛ぶ。
さぁ、仕上げだ。ここから、一気に決める!
「ふふふ、あはは……!」
〈……お嬢様……?〉
笑いが漏れる私に、シャルが訝しむ。
まぁ、当然だよね。まるで、“狂う”かのようなんだから。
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