暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第157話「底知れぬ瘴気」
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       =緋雪side=







「はぁ……はぁ……はぁ……」

〈お嬢様……〉

 肩で息をしているのを、何とか整える。
 確かに、決定的な一撃を守護者に与える事はできた。でも……。

「……まだ、終わってない」

〈……そのようですね〉

 霊力の気配はまだ消えていない。そのことから、倒せていないのがわかる。
 すぐに跳躍。一気に吹き飛ばした先まで飛ぶ。

「(刀は一刀だけとはいえ、封じた。もう一刀は弾き飛ばしたせいで封印し損ねたけど、これで二刀の脅威はなくなったとも言える)」

 それだけで、十分戦力の差を縮める事ができた。
 ……やっぱり、四神とお兄ちゃんが戦ってくれたおかげかな。

「(でも、油断は禁物)」

 守護者は……とこよさんは、追い詰められてからが本番な人だ。
 お兄ちゃんのように、どんな劣勢でも諦めることはせずに、勝利をもぎ取っていく。
 ……例え、それは守護者としての器だけの存在でも、変わらない。

「はぁっ!!」

〈“Scarlet arrow(スカーレットアロー)”〉

 吹き飛ばした箇所へ、魔力の矢を叩き込む。
 ……切り裂かれる。やはり、まだ終わってなかった。
 弾き飛ばした刀はやっぱり回収されてしまったようだ。

「はぁあああっ!!」

     ドンッ!!

 速鳥や神速を掛けなおし、一気に間合いを詰めてシャルを振るう。
 こうなれば、守護者の取る行動は大きく分けて二つ。
 避けるか……。

     ギィイン!!

「ッ……!」

 ……受け流すか、だ。

「“呪黒剣”!!」

「……!」

   ―――“弓技・閃矢-真髄-”

 受け流された瞬間に、反撃を受けないように黒い剣を生やす。
 それを避けるように守護者は跳躍。私に対して矢を放ってくる。

「はっ!」

     ギィイン!!

 だけど、それは簡単に弾ける。
 そして、何よりも空中に無闇に飛ばれたら……。

「恰好の、的だね!」

〈“Zerst?rung(ツェアシュテールング)”〉

     ドドドドォオオン!!

 連続で“瞳”を握り潰す。
 さすがに、守護者を直接爆発させようとしても、避けられるだろう。
 実際、そうなったし、だから連続で爆発させる。
 これで、ダメージは逃れられないはず。

「ッ!」

〈お嬢様!〉

   ―――“弓奥義・朱雀落-真髄-”

 確かにダメージは与えた。でも、その状態から矢が放たれる。
 焔を纏ったその矢は、当たれば私でも一溜りもないだろう。
 ……だから、弾く……!

「斬り払え!焔閃!!」

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