ペルソナ3
2044話
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と判断し、立ち上がる。
そうして俺達以外に誰もいない、秋晴れの公園で俺と美鶴の2人は向かい合う。
落ち着いた様子を見せた美鶴だったが、こうして向き合った状態になると、再び顔を赤くして緊張し始め……そこまで美鶴を見た時、俺はようやく、もしかしたら……と、現状を理解する。
「アクセル。その……こういう時に何と言えばいいのか、私は経験がないから、何とも言えないのだが……その、だな」
何と言えばいいのか、非常に迷った状態で周囲を見回し……そして美鶴は、やがて意を決したように口を開く。
「アクセル。私はお前が好きだ。愛している」
「……そうか」
やはり、そういう話だったのか。
そう思いつつ、何故こうなったのかと一瞬疑問に思う。
俺としては、それなりに美鶴と友好的な関係を築いていたつもりだ。
だが、まさか美鶴が仲間や戦友ではなく、女として俺に好意を抱くというのは、完全に予想外だった。
しかし……それでも、こうして美鶴に愛の告白をされた以上、誤魔化すような事は出来ないだろう。
また、俺自身が美鶴に対して好意を抱いているのは事実だ。
……普通なら、ゆかりと付き合っている以上は美鶴と付き合う事は出来ないと言うべきなのだろうが、幸か不幸か――いや、この場合は幸運にもか――俺は何人もの恋人を持つという事に慣れている。
それどころか、10人以上の恋人と同棲しているのだ。
「俺がゆかりと付き合っている。それを知っているのか?」
「うむ、その……この前、ゆかりにその話を聞かされた」
「それを知った上で告白してきたという事は、それが何を意味しているのか……分かってるよな?」
「ああ。それに、ゆかりから聞いたぞ。アクセルは、ゆかり以外にも大勢付き合っている女がいると。その……どのような相手なのかはまでは、聞かされていなかったが。だから……私も、その中の1人にして下さい」
いつもの強気な口調ではなく、女らしい口調で頭を下げる美鶴。
赤い髪が秋の風に揺れ、どこか幻想的な美しさを俺にもたらす。
そんな美鶴に近づくと、美鶴もそれが分かったのだろう。下げていた頭を上げ、俺を潤んだ瞳で見つめてくる。
そんな美鶴の顎に手を伸ばし、軽く上を向かせ……俺は答えの代わりに、そっと唇を重ねるのだった。
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