白と黒
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柱間の意志を引き継ぐ者は少なくとも宗家には誰一人としていないだろう
里の者たちは復讐されやしないかという恐怖から彼への迫害を一層強める。彼は人を信じることを簡単にできなくなってしまったのである。千手の人間が守ろうとしたならば結果は違ったかもしれない。しかし、千手は守るどころかハルマへの迫害を助長させた。今のハルマは復讐心を無理矢理抑えているようなものだ。仲間がいるから、木の葉を自分の居場所として捉えようとして、認められようと努力している。それがかなわないものと理解しながらも
『だが、今使わなければお前の仲間達は死にますよ。あの獅子は私たちのチャクラが含まれていますから』
だが、ハクアの力は先程も言った通り強大だ。ハルマには力に呑まれない自信がなかった。だからこその拒否なのだ。自分の最後の砦は自身の理性。それを守る為にハルマはハクアの申し出を断ろうとした
なのに、ハクアの言葉が彼を動揺させる。仲間を守る為にはプライドすら捨てなくてはならない。自身の信念を曲げる事すら必要となる時がある。ハルマにはそれが出来るのか。その選択を迫られていた
「どういう事だ??」
『恐らく私たちの前任の人柱力から採取したんでしょう。彼らには穢土転生がありますからそれぐらいは容易にできる筈ですよ』
ハクアたちのチャクラを含んだ化け物。その力はオリジナルには及ばなくともハクアの力を使わなくては勝てないのは明白だ
『力を貸しましょう。守る為の力を。それしかあなたたち全員が生き残る術はありません』
駄目押しの一言。力に呑まれるようならば自害する事も視野に入れるしかない。ハルマは力を手に入れる代わりに自分を犠牲にする決意をして、力を借りる事を決めた
「・・・・・・くっ。仕方・・・・ない、か」
ハルマを白いチャクラが覆い尽くした
レツたちは黒獅子を観察していた。黒獅子によって周囲の木々は薙ぎ倒された状態で、彼らは位置も把握されているだろう。ハルマは精神世界から戻り、目を覚ました。
「んで、どうすんだ?このままじゃやばいぜ?」
レツがハルマに問い掛けるが、ハルマは問いには答えず、黒獅子と、黒獅子の上に乗る王虎を睨みつけるように見つめていた。その様子をカナはおかしく思ったようだ。小さな声で愛称を呟いた
「ハル?」
僅か数秒の間。ハルマは目を閉じて、息を吸う。そして息を吐くと同時に目を開き、二人に命令するように話す
「・・・・・・お前達は逃げろ。ここからは俺一人で戦う」
二人は驚き、レツが冷静に自分の考えを告げる。勝てない。そう言わせる程に王虎が口寄せした黒獅子の力は強大だ。もちろん、口寄せした王虎自身もだ
「勝てると思ってんのか?あいつを一人でやれる訳ねえだろ!三人で戦わねえ
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