変貌
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指先に集まる魔力。それはわずかな量でしかないのに、周囲の気温はみるみる下がっていく。
「ラウル!!下がって!!」
「やだ!!」
危険を察知したサクラが助けようと駆け寄る。だが、それよりも早く青年の指からレーザーが発射された。
「ラウル!!」
「逃げろ!!」
「よせ!!」
最悪の事態しか見えない。サクラたちは必死に叫び、ラウルは目を閉じ奥歯を噛み締める。しかし、彼には来るべき衝撃が来なかった。
「なっ・・・」
「外した?」
ラウルのわずか数センチ横を抜けて地面へと突き抜けたレーザー。それを放った本人でさえも、何が起きたのかわからず唖然としていた。
「きゃあ!!」
「うぎゃ!!」
「あぐ!!」
その頃巨大化したブランディッシュに連れ去られたナツたちは戦場から遠く離れた遺跡へと来ていた。
「何のつもりだ!!」
「ブランディッシュお願い!!あたし、あなたと戦いたくない」
この戦争の最中、一つの友情が芽生えていた。かつて母同士が友人だったルーシィとブランディッシュ。彼女たちは敵として出会いながら・・・
「私もよ」
小さくなったブランディッシュがそっぽを向きながら答える。彼女もまた、ルーシィに対して特別な感情を抱き始めていた。
「あなたたちには世話になったし、特別に見逃してあげる」
「見逃す?」
彼女が何を言いたいのかわからないハッピーは首をかしげる。ブランディッシュはその言葉の意味を語り出した。
「前にも言ったように私はアルバレスの人間。裏切るつもりはない。これから私はあなたたちの仲間を皆殺しにするわ。けど・・・あなたたちだけ見逃してあげるの」
「え?」
「お前、何言ってんだ・・・」
突然すぎて彼女が何を言いたいのか理解が追い付かないルーシィとナツ。ブランディッシュは寂しそうな表情を浮かべながらなおも続ける。
「この戦い・・・どう転んでも私たちが勝つわ。兵の数、練度、スプリガン16、ティオス、オーガスト、アイリーン。そして皇帝は今まさに妖精の心臓を手に入れようとしている。あなたたちにはわずかな勝ち目すらない」
「そんなのやってみなきゃわからねぇだろ」
「わかるわよ。あなたたちの仲間は全員死ぬ」
ブランディッシュの言葉を裏付けるように、現在の戦場はアルバレス優勢で進んでいた。妖精の尻尾最強と称されるギルダーツすらオーガストの前に沈められ、戦力が著しく低下している。
「死なせるもんかよ」
「あたしたちは今までいくつもの激戦を乗り越えてきたのよ!!」
しかし、そんなことなど知りもしないナツたちは強気だ。仲
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