変貌
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のあとに続いた。
「今さら気にしていない。もう人を恨むことはやめたんだ」
「それは・・・お節介だったかのぅ」
左右に別れてティオスへと迫る二人の女性。しかし、難敵が迫っているにも関わらずティオスの表情に焦りはない。
「この二人が組むことを、昔は想像できなかった」
剣を振るうカグラと魔力を宿した腕を振るうミネルバ。ティオスは冷静に一歩下がると、それを軽く回避する。
「大魔闘演武で分かり合うことができなかった二人・・・それを引き合わせたのは確かに妖精の尻尾であろう」
再度攻撃を試みるカグラとミネルバ。だが、その時を彼は待っていた。
「だが・・・」
水のような魔力を右腕に、風のような魔力を左腕へと集中させると、それをカグラとミネルバ、それぞれの腹部へと叩き付ける。
「「ガッ!!」」
「お前たちを引き離すのも、奴等なのかもしれないな」
宙に浮かぶ二人の体。ティオスはその二人を見据えて頬を膨らませる。
「氷神の・・・」
ブレスを放とうとした。その瞬間、彼の視界に入り込む猫に持たれている少女。
「ファイア!!」
ミネルバとカグラを守るように前に立ったサクラ。彼女は魔法陣を作り出し氷を打ち消すためにと炎を作り出す。
「怒号!!」
相性ではサクラが有利。しかし、彼はお構い無しにブレスを放つと、案の定炎を突き破り四人を氷のブレスが飲み込む。
「「「きゃああああああ!!」」」
「うわあああああああ!!」
放物線を描きながら地面に叩き付けられる四人。その体は凍っている箇所すらあり、彼女たちは痛みに悶絶している。
「なんて力だ・・・」
「この威力・・・師匠を越えてますよ・・・」
痛みに襲われながらも立ち上がり顔を上げる。その姿にティオスは拍手を送る。
「さすがマーメイドとセイバーの最強の魔導士だ。もっとも、それもこの国の中での話だが」
余裕を感じさせるティオスに苛立ちを募らせつつも、彼女たちはそれに反論をすることができない。なぜならそれだけのことを言えるほどの力が彼にはあるからだ。
「ねぇ・・・なんで・・・」
どうすればいいのかわからずにいたカグラたちの前に立ったラウル。彼は瞳を潤せながら友によく似た青年の顔を見上げる。
「どうしてこんなことになっちゃったの?レオン」
彼の目から雫が零れ落ちる。それを見た青年の表情は固くなった。
「俺はお前たちが知る俺ではない。変わったんだ、あの時に」
「あの時?」
いつのことを言っているのかわからないカグラたちはリアクションを取ることもできない。ティオスは目の前にいるラウルに指を向ける。
「それをお前たちが知る術はない。ここで死ぬのだから」
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