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妖精の尻尾所属の戦闘民族(旧)
第11話 幸せを呼ぶ猫の誕生
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「泣くなよナツ…可愛いなぁ」

「泣いてねえよ!!」

そしていつの間にかナツが涙目になっている。ああ、これはやばいな。そろそろオレも卵を探しに…ん?

「その辺にしないかミラ!ホラ…ナツも泣くなじゃない」

「泣いてねえよ…!!」

「卵……」

探さなくても大丈夫そうだ。そう判断してオレは席に座り直す。

「おい、レッド。お前探しに行くんじゃなかったのか?」

「そのつもりだったけど…ほら」

「あ?…ああ、なるほどな」

オレの行動に疑問に思ったラクサスに教えるとラクサスも今やって来た彼を見て納得した。
思えば彼はまだギルドに来てないんだった。最近もこの時間で来ることがあったが…そういうことか。

「ナツ…リサーナ、ごめん」

「…!」

謝罪の言葉を聞いたリサーナが振り返る。それだけじゃなく、今の状況を見ていた皆もそちらへ目を向ける。

そこに居たのは、大きな卵を持ったスーツを着ている銀髪の少年…エルフマン。

「盗んだわけじゃねーんだ…二人だけじゃ温めるの大変かなって思って…夜…冷えるだろ?」

申し訳なさそうに笑っているエルフマンの話を聞いて察した。

「でも…オレ魔法うまく使えねーから恥ずかしくて1人でこっそりやってたんだ」

魔法ができない自分が恥ずかしいが、それでも自分にできることをした彼を誰も責めない。むしろナツたちの手助けした彼を感謝するリサーナとナツがいる。

「そうだったのかー!!」

「ありがとうエルフ兄ちゃん!!!」

「私の事疑ってただろ、本気で」

「それはお互い様じゃないのか?」

どうやらミラとエルザが互いを疑っていたようだ。よく考えればしないと分かるはずだが…。結構焦っていたのか。

…!

何かが割る音が聞こえた。それはオレだけじゃなく、ギルドの中にいる皆も反応する。

一瞬は静かになるギルドだったが――卵を見た後に騒ぎ出す。

「う…生まれる!!」

「おおっ!!」

おおふ…なんか皆が卵へと集まっていっている…そんなに居ちゃ見えにくいだろう…おいちょっとどけや。

「おいっどけよ!!」

「バカッ!あまり押すなっ!!」

「…ハァ…」

いつの間にかオレが混じったことをラクサスの溜息が聞こえたが気にしない。
だって気になるもんだろ、生まれる瞬間。特に卵から


そして卵が少しずつ割れていき…そして――――


――――パカーン


大きく割れる音がギルド内に響き渡った――はて、そこから生まれたのは――――

ドラゴンではなく、猫でした。






――――ゑ??


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