181部分:ラグナロクの光輝その三十五
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ラグナロクの光輝その三十五
「この文字のことを。思い出した」
「そうだったのですか」
「はい、どうやら貴女達の言ったことは正しかったようですね」
そのうえでまた言った。
「この向こうには。帝国軍の親衛隊、ベルセルクがいます」
「はい」
「だからこそこう書かれている。そうですね」
「おそらくは」
「ですが我々の決意は変わりません」
彼はそう言うと一歩前に踏み出した。
「行きましょう」
「よし」
「それでは我々も」
七人だけでなくワルキューレ達もそれに続く。
「アースの戦士達よ、共に」
「ニーベルングの下へ」
残る部下達に門を守らせ祭壇の中へと入った。祭壇は赤と金、そして黒で飾られた異様な内装であった。所々に何かわからない神の像がある。それは醜い小人であった。
「これは」
「アルベリヒです」
ワルキューレ達が七人に答える。
「アルベリヒ」
「はい、ニーベルング族の始祖とされる男です」
「この男が」
「彼は神話の時代にいたと言われます」
ワルキューレ達は七人に対して語る。
「彼は」
「子孫を残せない身体だったのですね」
そこでまたパルジファルが言った。
「え、ええ」
「そうです」
その言葉にワルキューレ達は戸惑いながら答えた。
「総帥、また記憶が」
「はい、次々に戻ってきます」
彼は答えた。
「そしてまた一つ、戻ってきました」
「そうだったのですか」
「アルベリヒは愛を捨てました。その結果子孫を残せなくなったのです」
「愛を、か」
「はい」
六人にも答える。
「具体的には。生殖能力を自らの手で取り去ったのです」
「何の為にだ?」
「何故その様なことを」
六人はそれを聞いて首を傾げさせた。あまりにも意味不明な行動に思えたからである。種を残すというのは言うならば生物としての生存本能である。それを自ら取り除いたというのは。あまりにも理解不能なことに思えたのである。
「野心の為です」
「野心の」
「そうです、この世の全てをその手に入れる為に。彼は愛を捨てたのです」
「それがわからないのだ」
「何の為に」
「そんなことをしなくとも。何かを出来たのではないのか?」
「宦官です」
それに対するパルジファルの返答はこれであった。
「宦官」
「かって存在していたという」
「はい、彼はそれになり権力を握ろうとしたのです、皇帝の側に仕えて」
第四帝国にも、それ以前の帝国にも宦官という存在はなかった。遥か昔の存在であり、彼等にしてみればそれは遠い神話の時代の話であった。
「それは過去の時代の話でした。それにより権力を握った者も確かにいました」
「だが。彼はそれを果たせなかったのだな」
「はい、皇帝に見抜かれ。彼は追放されたのです」
「そ
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