暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
2043話
[3/5]

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今のその言葉に疑問を抱くなという方が無理だった。
 俺に視線を向けられたゆかりは、少しだけ照れくさそうにしながら……そして真剣な表情で組んでいる腕に力を入れ、ゆかりの年齢の平均以上に豊かに盛り上がった胸を、俺の腕に押しつけながら言葉を続ける。

「ここにはカップルで渡っている時に振り返ると、そのカップルは別れるってジンクスがあるのよ。だから、いい? アクセルは絶対に振り返らないでね」
「分かった」

 正直なところ、ジンクスだ何だって話は俺は特に気にしないんだが……ゆかりがそれを気にするというのであれば、わざわざそのジンクスに引っ掛かるような真似をしなくてもいいだろう。
 そんな訳で、俺はゆかりと共に2人きりで夜のライトアップされた渡月橋を楽しむのだった。





「うわぁ……渡月橋も凄かったけど、京都タワーも凄いわね」

 そう感嘆の声を上げるゆかりだったが……すぐにそのテンションは下がる。
 当然だろう。京都タワーの中に入る事が出来なかったのだから。
 ちょっと近くにいる観光客に聞いてみると、京都タワーの中に入る事が出来るのは、午後8時40分までらしい。
 それで午後9時になれば、全員下ろされる、と。
 そして今の時刻は午後10時近い。
 渡月橋で、ちょっとゆっくりしすぎたな。

「うー……」
「どうする?」

 残念そうに京都タワーを見ているゆかりに、そう尋ねる。
 尋ねられたゆかりの方は、見るからに未練があると分かる様子で京都タワーを眺めていた。
 さて、どうするか。
 少し考え……折角の修学旅行なんだし、これくらいはいいだろうと判断する。

「ゆかり」
「え? ちょっ、いきなりどうしたのよ!?」

 ゆかりの肩を抱きながら、俺は物陰に移動する。
 別にこのまま物陰で妙な事をする……という訳ではない。
 いやまぁ、ゆかりの鳴き声……啼き声は可愛いので、それはそれでいいのだが、ここでそんな真似をすれば、ゆかりは間違いなく怒るだろう。
 そんな訳で、俺はゆかりを物陰に引っ張り込むと……そのまま影のゲートを使い、京都タワーの頂上近くに姿を現す。
 勿論、展望フロアとかは防犯カメラとかがあるので、外にだが。

「ちょっ、うわっ! アクセル!? ここって一体……」
「京都タワーだよ。ただし、展望ルーム……の外だけどな」

 その言葉で、ようやくゆかりも自分がどこにいるのか……そして俺が何をやったのかを理解したのだろう。呆れの表情を向けてくる。
 普通の女なら、こういう高い場所に出ればパニックになってもおかしくはないのだが……タルタロスで毎日のように命懸けでシャドウと戦っているゆかりだ。
 いきなりこのような場所に姿を現しても、特に混乱する様子は見せなかった。
 それどこ
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