ペルソナ3
2043話
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意味も込めて、京都タワー……いや、そっちの方が派手そうだし、先に渡月橋に行くか。場所は嵐山だったよな?」
「ええ、そうだけど。……珍しいわね、アクセルがそういう場所を覚えてるなんて」
「俺もたまにはな」
友近が、クラスの男達と話していた内容を何となく覚えていたってだけで、別に俺が調べた訳ではないんだが。
まぁ、そこまでは言わなくてもいいか。
そんな訳で、俺はゆかりと共に嵐山にある渡月橋に向かう。……当然、電車とかタクシーではなく、影のゲートを使って。
金も掛からないし、行くと決めた次の瞬間には既に移動したい場所に出てるんだから、影のゲートってのは便利だよな。
便利だからこそ、習得するのにかなりの才能を必要とするんだろうが。
「わぁ……」
ライトアップされた渡月橋の姿に、ゆかりの口から感嘆の声が漏れる。
実際にはただの木で出来た橋なのだが、こうして見ていれば、不思議な感動に襲われる。
俺達以外に、何人もの恋人達が渡月橋を眺めている。
勿論渡月橋の上を歩いている者もいる。
「ね、アクセル。もうちょっと近くに行きましょ。折角なんだし、しっかりと楽しまないと」
ゆかりが笑みを浮かべながら、俺の手を引っ張って渡月橋に近づいていく。
周囲には家族連れも多いが……やはりライトアップしているという事もあって、恋人同士と思われる者達が多い。
もっとも、既に夜という事もあり、殆どが20代と……いや、違うな。
俺達と同じく、修学旅行を抜け出して来たと思われるカップルもそれなりに多い。
影のゲートを使える俺はすぐに来る事が出来たが、他の学生のカップルと思われる連中は、よくもまぁ、この時間帯に宿を抜け出して来られたものだ。
「ちょっと、どこ見てるのよ。私といるのに、他の女に目を奪われるなんて、いい度胸してるわね」
そう言ったのは、ゆかり……ではない。
少し離れた場所にいたカップルの女だ。
男の方が、ゆかりに目を奪われているのを、恋人に見咎められたのだろう。
……少し耳を澄ませてみれば、他にも同じようにゆかりに目を奪われて女に怒られている者がそれなりにいるのが分かる。
まぁ、その気持ちも分からないではないけどな。
ただ、少し残念なのは、ゆかりに見惚れている者は多いが、俺に見惚れている者は誰もいないという事か。
別に俺に見惚れろ! とかは言わないが。
そんな風に思いつつ、渡月橋の上に到着する。
「ねぇ、アクセル。言っておくけど渡月橋を渡ってる時は絶対に振り返っちゃ駄目だからね」
「……は? 何でだ?」
いきなり言われたゆかりの言葉に、意表を突かれる。
何の意味もなくそんな事を言ったりはしないので、何か理由があっての言葉だとは思うのだが、それでも
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