第10話 新たな光への覚醒
[1/9]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
森の奥までラクサスと進む内に、気配が淡々と大きく、そして気分を悪くさせてくる。
それはラクサスも同様で、さっきまで皮肉を言ってくれていた時とは違い、顔から汗が見える。
だが、ここで引いておく訳にはいかない。何故なら感じたのだ。
奥にいるのは嫌な気配だけではなく、魔道士の気配もちゃんとあると、近づく内に感じた。
ならここで引いてしまうより、やられているであろう魔道士を連れて逃げたほうが良い。
見殺しするよりマシだと、オレは思っているから。
「…本当にオレたち以外の魔道士が居るんだな、レッド」
「ああ、それは確実だ。小さいけど、オレたちが来る前にここに依頼できた人は居る」
断言するオレにラクサスは少しだけ考えるように顎に手をかけ、そしてオレの方に向き合って考えたことを話す。
「――――ならなんで生きてんだ?そのバケモンのことは知らねえが、態々生かす必要ねえだろ」
「…!確かに」
そうか、それは考えていなかった。だが、生かしても問題ないと判断されたかも…それはそれで厄介か。
「そうだ。やられちまってもS級魔道士の1人だろ。来たのは。ならそいつがやられた後に生存されても、逃げるための隙とか他にも対策を立てることがあるだろうが…」
「…それを気にするほどでもない、と思われている可能性だったら」
「…絶望的だな」
ならこの奥にいる化物は、オレたちでは勝てるかますます怪しくなってくる。
これは、もう一人を連れて逃げ出せるか…、分からない。
だが、勝てなくとも、負けるつもりはない。逃げ切るように、するか…。
「おい、そろそろご対面だ。考え事は後にして、後はなるようにして逃げるぞ、レッド」
「…ああ、そうだな」
それで目を合わせて互いに首を縦に動かして――――走る
「――――そんなに急がなくてもゆっくりしてくれてもいいのですよ」
「「――――ッ!!」」
オレは魔力を纏って最高の状態で移動した。普通の魔道士でも目が追えないと言われる程の。
そして、ラクサスは雷へと変化し、オレよりも最高状態で走った。
――――それを、強制的に体の動きを、止めさせれた。
「別に命を取ろうというわけではありませんので、安心してください。只、実験に付き合っていただきたいだけですので」
体が動かない――――というわけでなく、ただ急いでここから逃げるという選択肢が消えた。
しかも、今聞こえた声は女性の声――――オレとラクサスは同時にその声の方へ目を向け、そして大きく目が開いてしまった。
声の持ち主は女性、いや美女が居た。それだけならよかったのだが、美女の頭には角
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ