暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜 IF
第12話 鬼畜王戦争の記憶U
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
で言ってるんだし、可能性は高いだろう。……それに あのハンティを惚れこました男だ。それだけで信じるのには十分だ。……ヘルマンにもでっかい恩がある。……まだ、返し切れてねぇぞ。返し切れるかもわからねぇ。とっとと帰ってきて貰わねぇとな』
『だな。同じくだ。……オレも、ハンティを救ってくれた(・・・・・・)礼。まだし足りてねぇから』

 信じて帰還を待つヘルマンの総司令ヒューバートと、元皇子、皇帝のパットンは、1つの大きな事件を思い返していた。


 LP6年 ヘルマン革命。


 国を取り戻す為に、腐敗政治を打倒する為に。その為に彼の力を、ランスと共に借りた。その時の恩は決して忘れられるものではない。

『かっかっか! そういやぁ、ランスのヤツにもメチャ恩はあるよなぁ! 言わないと、魔王状態でもアイツ、怒り狂いそうだ。……ってな訳で、アイツもどーにかしてやらんと。その辺も戻ってきてくれたら有り難いってもんだ』
『まぁ……、否定はしねぇけど。あれじゃないか? 何年も暴れてんだから、その辺はもう貸し借り無し……どころか、貸しばっかりだって思ってんだけど』

 陽気に笑うパットンと呆れるヒューバート。

『それを言うならば、ゼスも同じよ。彼には、返しても返し切れない恩がある。ランス共々、人類にとって無くてはならない男だった故に。……彼がいなければ、我々は間違いなく、あの戦争で命を落としていただろうからな』
『……はい。ガンジー様の言う通りです』
『ランス……は、兎も角、あの人は間違いなくですね。同感です』

 そこに加わったのは、元ゼス国王 ラグナロックアーク・スーパー・ガンジー、そしてその側近のカオルとウィチタ。征伐のミト、カクさん、スケさんの3人組だ。

『おっ? ガンジー国王。それに側近の嬢ちゃんたちもか』
『いや、私は元・国王だ。今はマジックが国王だからな』
『はははっ そっか、そうだったな。アンタ見てたら、国王ってイメージが強くて。いや、征伐のミト、って方が強烈か? 3人衆だし』

 大きな男達がここに集って談笑を始める。
 ヒューバートは それを客観的に見て ぼそりと一言。

『ここにランスのヤツがいたら、暑苦しいから止めろ、って言いそうだ。……前にもあったし。……ま、嬢ちゃんたちがいるから、緩和されたり……か?』

 遠い目をしていた。
 あの第二次魔人戦争の記憶。今でも鮮明に覚えている。色々と大変だったが、それでもどうにか回っていたのは、ランスと……あの男がいたからだ。

『………とっとと戻って来いよ。あの子達にも、オレ達にも、……いや、ランスにだって お前が必要なんだ』

 ゲートの扉を眺め続ける。
 城の防御は決して解かず、それでも時を見てはその扉を誰もが注視していた。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ