第12話 鬼畜王戦争の記憶U
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で言ってるんだし、可能性は高いだろう。……それに あのハンティを惚れこました男だ。それだけで信じるのには十分だ。……ヘルマンにもでっかい恩がある。……まだ、返し切れてねぇぞ。返し切れるかもわからねぇ。とっとと帰ってきて貰わねぇとな』
『だな。同じくだ。……オレも、ハンティを救ってくれた礼。まだし足りてねぇから』
信じて帰還を待つヘルマンの総司令ヒューバートと、元皇子、皇帝のパットンは、1つの大きな事件を思い返していた。
LP6年 ヘルマン革命。
国を取り戻す為に、腐敗政治を打倒する為に。その為に彼の力を、ランスと共に借りた。その時の恩は決して忘れられるものではない。
『かっかっか! そういやぁ、ランスのヤツにもメチャ恩はあるよなぁ! 言わないと、魔王状態でもアイツ、怒り狂いそうだ。……ってな訳で、アイツもどーにかしてやらんと。その辺も戻ってきてくれたら有り難いってもんだ』
『まぁ……、否定はしねぇけど。あれじゃないか? 何年も暴れてんだから、その辺はもう貸し借り無し……どころか、貸しばっかりだって思ってんだけど』
陽気に笑うパットンと呆れるヒューバート。
『それを言うならば、ゼスも同じよ。彼には、返しても返し切れない恩がある。ランス共々、人類にとって無くてはならない男だった故に。……彼がいなければ、我々は間違いなく、あの戦争で命を落としていただろうからな』
『……はい。ガンジー様の言う通りです』
『ランス……は、兎も角、あの人は間違いなくですね。同感です』
そこに加わったのは、元ゼス国王 ラグナロックアーク・スーパー・ガンジー、そしてその側近のカオルとウィチタ。征伐のミト、カクさん、スケさんの3人組だ。
『おっ? ガンジー国王。それに側近の嬢ちゃんたちもか』
『いや、私は元・国王だ。今はマジックが国王だからな』
『はははっ そっか、そうだったな。アンタ見てたら、国王ってイメージが強くて。いや、征伐のミト、って方が強烈か? 3人衆だし』
大きな男達がここに集って談笑を始める。
ヒューバートは それを客観的に見て ぼそりと一言。
『ここにランスのヤツがいたら、暑苦しいから止めろ、って言いそうだ。……前にもあったし。……ま、嬢ちゃんたちがいるから、緩和されたり……か?』
遠い目をしていた。
あの第二次魔人戦争の記憶。今でも鮮明に覚えている。色々と大変だったが、それでもどうにか回っていたのは、ランスと……あの男がいたからだ。
『………とっとと戻って来いよ。あの子達にも、オレ達にも、……いや、ランスにだって お前が必要なんだ』
ゲートの扉を眺め続ける。
城の防御は決して解かず、それでも時を見てはその扉を誰もが注視していた。
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