幕話の物語
本気で天界は駄目だと思う この頃
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けている。
ウィスは彼女が将来、どこぞの悪い男に引っ掛かってしまうのではないかと心配してしまう。
その後、ウィスはリアス達を引き連れ、旧校舎の屋上から深夜の空へと飛び立っていった。
白銀の光を周囲に迸らせ、下着泥棒の下へと。
▽△▽△▽△▽△
時は少し遡る。
この記憶はロスヴァイセがオカルト研究部へと赴き、日本にその身を置く契機となった記録である。
天使・悪魔・堕天使陣営の三大勢力主催の下、催された和平会議。
此度の会議には将来の世界の安定と平和を願い、北欧からは主神であるオーディンも日本へと赴いていた。
北欧の主神の付添人として戦乙女であるロスヴァイセも参加していた。
そんな彼女は今や極東の日本、オカルト研究部に取り残され、絶賛泣き崩れている最中であった。
「酷い!オーディン様の為にここまで尽くしてきた私をこんな極東の地に置いていくなんて!」
先程から彼女は同じ様な言葉を繰り返し、泣き叫んでしまっている。
このままではゲシュタルト崩壊してしまいそうだ。
「どうせ私は仕事ができない女ですよ!彼氏いない歴=年齢ですよ!」
戦乙女としての実力も文句の付けようはなく、真面目で、しっかり者。ただ、少しばかり残念な美人であるロスヴァイセ。
腰まで垂れ下がるは絹の様に綺麗できめ細かな銀髪。
容姿も非常に整っており、スタイルも抜群だ。
とても魅力的な女性である。
しかし、不運な星の下に生まれた彼女は何処まで行っても不運な人生を歩んでいた。
現状もその惨状に打ちひしがれ、オカルト研究部で崩れ落ちている。
「ぅぅぅ…、何で私ばかり…こんな目に…。」
罪悪感が半端ない。
彼女がこの極東の地に置き去りにされた原因は間接的にはウィスも関わっているのだ。
彼女は無き崩し的に退職。
主神は北欧に帰還し、彼女は異邦の地である日本に取り残されてしまう始末。
何ということだろうか。
「…ロスヴァイセさん、私です、ウィスです。」
先ずはロスヴァイセさんを慰め、立ち直らせなければ。
ウィスは義務感と同情、そして良心に後押しされ悲壮感溢れる彼女へと声を掛ける。
「…うぅぅ…、ウィスさん?」
スーツ姿の彼女は実に弱々しい様子でウィスの方へと向き直り、涙を流しながら端正な顏を歪ませていた。
「はい、ウィスです。ただ今到着しました。」
これはヤバイ、重症だ。
かなり追い詰められてしまっている。
「ぅぅぅ…、ウィスさん…。私捨てられちゃいましたぁ…。」
すまない、本当にすまない…
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