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177部分:ラグナロクの光輝その三十一
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ラグナロクの光輝その三十一

「ヘルムヴィーデと申します」
 彼女もまた名乗った。そのうえでヴァルターに対して述べた。
「ニーベルングは貴方がアースの末裔であることを知っていました」
「やはり」
「そしてそれを抹殺する為に切り札であるファフナーを向けたのです。その後それで他の方々も攻撃するつもりでしたがファフナーに異常があり」
 ワルキューレはそう語る。
「それはなかったのか」
「左様です。そしてファフナーは貴方により破壊され」
「なくなった。だが今ファフナーはラインで再び造られ、またファフナー以上の兵器も造られているのだな」
 ヴァルターはまた問うた。
「そうなのです。ですから戦いはここで終わりではないのです」
「まだ。ヴァルハラに行かなければなりません」
「そのヴァルハラだが」
「はい」
「いや、私は後でいい」
 ジークフリートはまずは引っ込んだ。何か考えがあるようだ。それと入れ替わりに今度はジークムントが進み出て来た。
「俺はニーベルング族に聞きたい」
「ニーベルング族に」
「俺はかっての戦友のミーメと戦った。あいつはニーベルング族だった」
「でしたね」
 ワルキューレ達はそれに頷く。
「あいつは。ニーベルングの奴に操られているようなことを言っていた。あれは一体何なんだ?」
「それがニーベルングの血脈の持つ力なのです」
「あんたは?」
 ジークムントは進み出たワルキューレの名を問うた。
「ロスヴァイセです」
「じゃあロスヴァイセさんよ、話してもらおうか」
「はい、ニーベルング族はその血脈にあるものは長に絶対的な忠誠を誓う義務があります。また長はその心にも介入出来るのです。その忠誠の証として」
「じゃああいつも」
 ジークムントはようやく親友のことを完全にわかった。
「そうです。アルベリヒ教の儀式によりそれを受けました。そして」
「あいつに心を操られるようになっちまったてんだな」
「左様です。全てはアルベリヒ教の儀式により契約し、それで」
「心を乗っ取られるようになっちまったってわけか」
 俯いて呟く。
「そうなのです」
「チッ、胸糞悪い話だぜ」
「クンドリーと同じか」
 それを聞いてトリスタンが呟いた。
「全ては。彼女と同じなのだな」
「クンドリーはニーベルングの僕でした」
 また一人ワルキューレが出て来た。
「ジークルーネです、藩王」
「ジークルーネ殿、では語ってくれ、クンドリーのことを」
「はい、彼女は自由を求めていました」
「自由を」
「そうです、ですがニーベルングに束縛を受け」
「それが出来なかったのか」
「はい。言うならば彼女は人形でした」
「人形」
 その言葉を聞いてトリスタンの目の色が変わった。
「ニーベルングに操られるままの。そ
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