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第百十話 カロリーネ皇女殿下の決意です。
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悪くはない。私が悪いんじゃない。他の人が悪いんだ。だからこの事故は私が起こしたものじゃない。

何かわからないが、こんな言葉が頭の脳裏でエコーしたのだ。走馬灯のように一瞬だったが、その時の情景も思い浮かんできた。それは前世のことだったのか、それともこの世界での巻き戻し前の事だったのか。
 はっきりとはわからないが、一つだけ思い出したことがある。そう、今まで自分はそうやって逃げてきたのだ。本当に立ち向かわなくてはならない時に限って。
だんだんと記憶がはっきりしてきた。そうだ、前世では小さな事件や責任は自分がかぶってきた。それも、本当に大きな責任が生じた時の逃げ道を作っておきたかったから。
「・・・・・・・・。」
不意に膝をつきたくなった。どうしていいかわからなかった。これがすべて自分のせいだとすれば、自由惑星同盟のみならず全銀河の400億人の苦しみはすべて自分だという事ではないか。
「シャロンがこの世界に来たのは、私の責任、なの?」
かすれた声がかろうじて出た。
「はっきり申し上げればそういうことです。」
目の前の女性は躊躇いなくそう言った。
「・・・・・・・・。」
「こんな時にうわべだけの言葉を並べ立てても、仕方がないでしょう?」

最後通告だった。
カロリーネ皇女殿下は重い衝撃を胸に受け止めた。それをどうにか抱きかかえ、認識するまでに数分を要した。その間女性はただ黙って空を見上げていた。まるでカロリーネ皇女殿下の気持ちの整理が終わるのを待っているかのように。

「最悪・・・・ホント最悪よね。」

長い間の沈黙から出た言葉は、ぎこちなくてさびついていた。
自嘲したくなった。けれど、乾いた笑いすらも出てこない。

「自分は被害者だから。そうやってあなたは自ら動くことを避けてきましたね。だからこそあなたの側にいるもう一人の人も動くことはできなかった。あなたを思いやっての事です。それはファーレンハイト、シュタインメッツも同じ事。ですが、それではあなたが彼らの首に首輪をつけ、あなたの手元につないでいるだけ・・・・。本当にそれでよいのですか?」
「・・・・・・・・・。」
「もう『被害者』を演じるのはやめにしませんか?」
女性の言葉がカロリーネ皇女殿下を打った。
「あなたには一度全銀河を統一したほどの才能と力量があるのですよ。その力を、今の元凶を退治し、銀河に平和をもたらすことに使ってみませんか?」
「・・・・・・・・・。」
「これからの戦いは自由惑星同盟も銀河帝国も関係ないのです。だってそうでしょう?」
元々人類は一つの旗「銀河連邦」の下にいたのですから、と目の前の女性ははるか昔に忘れ去られている一つの政体の名前を口にした。
「・・・・・・・・・。」
カロリーネ皇女殿下は思う。本当に、そう、本当に理想なのは
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