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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百十話 カロリーネ皇女殿下の決意です。
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今回の悲劇のほんの序章にすぎませんでした。先ほどこの世界に英雄を送り込んだ話はしましたが、その過程で事故が起きたのです。」
「事故・・・・?」
「つまりは、今起こっている現象の首魁がこの世界にやってきた、という事ですよ。」
「そんなこと、だったらそれはその神々とやらが悪いんじゃない!!!」
「いいえ、あなたです。いいですか?あなたさえこの世界にいなければ、こんなことにはならなかった。違いますか?」
訳の分からないまま一方的に責められている気分だった。目の前の相手がどういう人間かわからないのに、カロリーネ皇女殿下はそもそも相手の名前を尋ねることすら念頭になかった。それだけ衝撃的だったのだ。

それに――。

悪くない。悪くない。自分は悪くない。それを主張するのにいまのカロリーネ皇女殿下の頭は一杯だった。

「あなたの理屈から言えば、私をこの世界に飛ばした存在がいるわけだし!!その存在がそもそも悪いと言えるんじゃないの!?だって、仮に――。」
「確かにその存在があることは認めますが、非はあなた自身にあります。」
「どうして!?」
「ラインハルトを殺し、ゴールデンバウム王朝を承継したのは、ほかならぬあなた自身の意志だからです。」
「―――っ!?」
「あなたが動かなければ、ラインハルトは死ぬ事はなかった。これは紛れもない事実、そうでしょう?」
「あなたに何がわかるのよ?!」
今度こそ本当にブチ切れた。相手の襟首をつかんでやりたくなった。そのまま相手の言葉ごと絞め殺してやりたいほどに――。
「そんな時間軸の事なんか知ったことじゃないし!!問題は今なのよ!!私が帝国を亡命し、今日の今までどんな暮らしをしてきたか。どれだけ耐えてきたのかわかっているの!?何も知らないくせに、しったかぶって!!」
「そう、あなたは確かに耐えてきましたね。あくまで被害者として。」
「ひ、被害者って・・・・・。」
カロリーネ皇女殿下は絶句した。それはすばりと中枢に差し込まれた一片の薄い刃だった。
「そう、あなたは演じていたのではないのですか?『被害者』を。帝国の反勢力に虐げられ、巻き込まれ、そして否応なしに飛ばされた可哀想な被害者を。何故なら――。」
目の前の女性は今までの横顔の姿勢から、カロリーネ皇女殿下に正面から見た。
「あなたは自由惑星同盟士官学校を特進で入校しています。その気になればこの自由惑星同盟において再起することも可能だったはずです。」
「・・・・・・・・。」
「けれど、あなたはそうしなかった。あなたは逃げていたのですよ。あらゆる事象から。そして『被害者』としてひっそりと生き続ける道を選択したのです。もう一人の転生者、そしてファーレンハイト、シュタインメッツたちを巻き添えにしてね。」
カロリーネ皇女殿下は絶句した。

私は
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