第32話
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た。
「ええ…………私の故郷と世界の人々の為に私は”予知能力”で見えたそれぞれの場所の”危険な未来”を避けるための予言を残していきながら、世界中を一人で旅をしていたわ………だから、別の世界のキーアのお陰で手に入った”2度目の人生”はみんなの為に孤独で生き続けた”1度目の人生”と違って、ずっと憧れていた”私が色々な人達との絆を結んだ私の為の人生”で生きるつもりなの。この世界に来た時に”予知能力”で見えたリィン教官達を含めたたくさんの人達と私が共に笑い合っている暖かい未来を見た時は嬉しかったな………私にもあんなにも暖かくて幸せな未来の可能性があるんだって………」
「ゲルド…………」
優し気な微笑みを浮かべたゲルドの様子を見つめたリィンはゲルドの頭を優しくなで
「ぁ…………」
「―――――だったら、ゲルドが見た”ゲルドにとっての幸せな未来”を叶えるためにもゲルド自身も、もっと頑張らないとな。勿論俺も教官の一人として可能な限りサポートするよ。」
(さ、早速ですか、リィン様………)
(ベルフェゴール達からは話に聞いていたけど、まさにゲルドの予言通り、ゲルドがリィンに心を寄せるきっかけをリィンが作ろうとしているわね……)
頭を撫でられて呆けているゲルドにリィンは優し気な笑顔を浮かべて答え、その様子を見守っていたメサイアは疲れた表情を浮かべ、アイドスは苦笑していた。
「リィン教官………ええ、そうね……!………未来の私もそうだけど、エリゼ達がリィン教官に恋をした理由、ちょっとだけわかった気がしたわ………」
「?何か言ったか?」
リィンの言葉に嬉しそうな表情を浮かべたゲルドはリィンから視線を逸らして苦笑しながら小声で呟き、ゲルドの様子が気になったリィンは首を傾げてゲルドに訊ねたが
「ううん、何でもないから気にしないで。」
ゲルドは苦笑しながら答えを誤魔化した。
その後ゲルドと別れたリィンは要請をこなし、時間がかかる為最後に残していたシュミット博士からの要請である更に難易度を上げた”アインヘル小要塞”の攻略を新Z組のメンバーと共に開始し、無事攻略を終えると学院の食堂で新Z組とティータにランチをご馳走し……予定の時刻も近づいたため、彼らと別れ、本校舎の戦略会議室でのブリーフィングに向かうのだった。
午後2:55―――
〜戦略会議室〜
「ようリィン、姫。ハーシェル教官とレン嬢ちゃんも。」
既に戦略会議室で待機していたリィンがセレーネ達と会話をしているとランディがランドロスと共に部屋に入って来た。
「あ、ランディさんとランドロス教官。」
「うふふ、ランディお兄さんとリィンお兄さんは昨夜は昔話で盛り上がっていたようね?」
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