ペルソナ3
2041話
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ある河原にゆかりと美鶴、2人の姿を見つける。
「おい、アクセル。どうしたんだ? 早く行くぞー!」
俺と同じ班の順平がそう手を振って呼んでいる声に、先に行くようにと合図をしてから河原に向かう。
特に気配を消したりする訳でもなく移動していた為に、当然のように美鶴とゆかりの2人は、俺の姿に気が付く。
「あれ、アクセル。どうしたの?」
「いや、こんな河原に2人がいたから、ちょっと気になってな」
俺がこの世界に来た当初であれば、ゆかりは桐条グループを嫌っていた。
それに伴い、当然のように桐条グループ令嬢の美鶴の事も嫌っていた。
だが……何度も戦場を共にし、武治との話や父親の件を聞き、結果として、今のゆかりは美鶴とお互いに名前で呼び合うような友好的な関係を築いている。
もっとも、これはゆかりが俺と一緒に行動して、S.E.E.Sと別チームとなっていた事も関係していると思われる。
もしゆかりがS.E.E.Sに所属して美鶴と一緒に行動していれば、距離感が近かったが故に、ゆかりは美鶴に反発していた可能性は否定出来ない。
父親の件で桐条グループに対して思うところがあったのも、その辺を影響するだろう。
そう考えれば、俺がゆかりと一緒に行動することが出来るようになったのは、ゆかりにとっても、美鶴にとっても幸運だったのだろう。
「特に何かをしていた訳ではないさ。ただ、ちょっと鴨川を眺めていただけだ」
美鶴の言葉に、俺も改めて川の方に視線を向ける。
鴨川というのは、京都でも有名な川な訳だが……こうして見ると、当然ながら特に何かある訳でもない、普通の川だ。
この川を見て、美鶴が何を考えていたのか疑問に思う。
「何か面白い物でもあったのか?」
「いや、そういうのはなかった」
「なら、何でわざわざ河原に来るんだよ。しかもこの寒い中」
11月の河原……明らかに、これは寒い筈だ。
俺の場合は混沌精霊だから、そういうのは気にしなくてもいいが……ゆかりや美鶴は普通の人間だ。
風邪とかを引けば、影時間でも色々と支障が出てくるのは間違いない。
そう思うも、美鶴は特に気にした様子がない。……ゆかりの方は、少し寒そうにしているように見えたが。
「影時間の事でちょっとな。……全てのイレギュラーシャドウを倒したにも関わらず、結局今も影時間は存在している。今の状況を考えると、どうすれば影時間を解決出来るのか……とな」
「ああ、そっち関係か。……美鶴の性格を思えば、それで悩んでもおかしくはないよな。ただ、一応タルタロスって手掛かりはあるだろ?」
「それは……」
最後のイレギュラーシャドウを倒した後で、再び封印が解除された。
つまり、タルタロスの頂上に到着するまで、まだ先があるのだ。
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