第四十四話 二人でお外に出てその二十三
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「あの水族館一杯いるから」
「それはいいですね」
「ええ、須磨にも水族館あるしね」
こちらは八条グループ経営ではないです。
「やっぱり海が前にあるでしょ」
「それで水族館もあって」
「色々な生きるものがいるの」
「そうですか、けれど今は」
「行かないのね」
「先輩に案内してもらいたいですね」
こう言ってきました。
「先輩が案内して欲しい場所を」
「それでいいの?」
「はい、先輩と一緒なら」
「私なんかと一緒にいても仕方ないでしょ」
この発言が本当にわからないですがお弁当も食べ終わりましたし。
阿波野君のリクエスト通り私が案内したい場所を案内して夕方まで町の色々な場所を回りました、そしてお家に帰ろうとしましたら。
不意にです、後ろから声がしてきました。
「あれっ、ちっち?」
「ちっちなの?」
「あれっ」
後ろを振り向くとです、
町の友人達でした、皆幼稚園からのお付き合いです。その娘達が私を見付けて声をかけてきました。
「今実家に帰ってきてるのね」
「元気そうで何よりね」
「うん、元気よ」
私は皆ににこりと笑って答えました。
「見ての通りね」
「お互いにそうみたいね」
「それにちっちも隅に置けなくなったみたいだし」
「やるようになったじゃない」
「隅とかやるようにって?」
私は皆の笑っての言葉に眼を瞬かせて返しました。
「どういうこと?」
「どういうことってね」
「その子よ」
「どうして知り合ったの?」
「どうしてって高校の後輩で」
しかも面倒な、と付く子です。
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