第三十二話
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第三十二話 タミーノとフィガロが
華奈子に昨夜ことを話そうとしたタロとライゾウにタミーノとフィガロはそっと自分達の主に気付荒れない様に囁いた。
「そのお話は」
「今はされない方がいいかと」
「あれっ、そうなんだ」
「言わない方がいいのかよ」
「はい、相手はカーミラです」
「伝説の吸血鬼です」
こうタロとライゾウに話すのだった。
「我々のご主人様の先生の方々が相手をしておられる様なので」
「我々のご主人様が相手をされるには荷が重いかと」
「若しもです」
「我々がカーミラのことをそれぞれのご主人様にお話しますとどうなるか」
「そんなの決まってるぜ」
ライゾウは左の前足を動かしつつタミーノとフィガロに答えた。
「うちのご主人もあんた達のご主人も動く方だろ」
「我々のご主人様は一見クールですが」
「実は、ですから」
タミーノとフィガロは自分達の主である美奈子のことを話した。
「華奈子様の双子のご姉妹だけあり」
「やはり根にあるものは同じです」
「いざという時には動かれます」
「そうした方です」
「そうだろ?そんな二人に話したらな」
それこそと言うライゾウだった。
「うちのご主人も美奈子さんもすぐに動くぜ」
「間違いなくそうなるね」
タロも言う。
「お二人の性格だと」
「火を見るより明らかだな」
「そうだね、うちのご主人様も美奈子さんも」
「そうした人達だよ」
「だからです」
「我々は今は黙るべきです」
あえてとだ、また話したタミーノとフィガロだった。
「ご主人様達の案件ではないので」
「只でさえ天本博士という厄介な相手がいます」
「ここでカーミラともなりますと」
「余計に負担が増えますので」
「言われてみればそうだよな」
ライゾウはまた応えて述べた。
「使い魔はそれぞれのご主人達に聞かれたら知ってることは全部言わないといけないけれどな」
「何でも言わないってことはないし」
タロも言った。
「じゃあね」
「言わないでおくか、カーミラのことは」
「そうしましょう」
「ここは是非」
また言うタミーノとフィガロだった、こうしてだった。
四匹共カーミラのことは言わないことにした、このことを決めてそうしてだった。
華奈子と美奈子はカーミラが自分達のすぐ近く、家の前を通ったことは知らなかった。それは彼女達の使い魔達の気遣いにもよってだった。
第三十二話 完
2018・3・18
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