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ドリトル先生と和歌山の海と山
第七幕その五
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「どうやらね」
「何ていうかね」
 王子は先生のお話を聞いて思いました、その思ったことはといいますと。
「仏教も天理教もね」
「魂の在り方がだね」
「凄いね、キリスト教とは違うし」
「アフリカの宗教ともだね」
「また違うね、アフリカは精霊信仰が多いしね」
「色々な神々が信仰されているね」
「キリスト教やイスラム教以外にね」
 こうした宗教もあるのです、アフリカには。
「それとそうした信仰もあるけれど」
「それでもだね」
「うん、仏教や天理教のこうした魂の在り方はね」
「独特でだね」
「素晴らしいね、じゃあひょっとしたら」
 ここでこうも思った王子でした。
「僕達もここにいたら空海さんにお会い出来るかな」
「あっ、そうなったらいいね」
「面白いよね」
 動物の皆は王子のお話にお顔をぱっと明るくさせました。
「空海さんにお会い出来たらね」
「今も生きておられるなら」
「是非お会いしたいよ」
「実際にどんな人だったか」
「ひょっとしたらね」
 ここで言ったのはチーチーでした。
「凄く強そうな人だったりしてね」
「格闘家みたいなね」
 ジップはチーチーのその言葉に乗りました。
「そんな人だったかも」
「こんな凄いところにお寺開いたし」
 こう言ったのはガブガブでした。
「絶対に頑丈な身体だったよ」
「そういえばあちこち歩いて回ったのよね」
 ポリネシアも空海さんについて思いました。
「ダウジングもやってたんだから」
「そうだとしたらね」
 ダブダブも言います。
「少なくとも文学青年って感じじゃなかったわよね」
「逞しくて男らしい人?」
「そうだったのかしら」 
 チープサイドの家族も空海さんについてお話しました。
「頑健なお身体で」
「それで運動も出来て」
「書道家かって思ったら」
 ホワイティは空海さんが達筆だったことから言います。
「実は登山家だったのかも」
「山登りが得意だったのは間違いないね」
 トートーはそれは確実としました。
「ここまで来てお寺を開いたんだから」
「お坊さんって雑用することも多いしね」
 このことを指摘したのは老馬です。
「筋肉ある人ばかりで」
「大体宗教家の人はそうだね」
「ご自身で色々動かれるんだよね」
 オシツオサレツも言います。
「だからね」
「空海さんもかな」
「厳しい修行もしてるしね」
 王子も言います。
「密教だと余計に」
「じゃあね」
「やっぱり空海さんって逞しい人だったんだ」
「天才学者、宗教家って思ったら」
「筋肉ムキムキだったんだ」
「そうした人だったの」
「そうかもね、さもないとね」
 先生も空海さんについてお話します、山の中に様々なお寺の建物があるその中を皆と一緒に進みつつ。

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