第七幕その二
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「おもちゃも一杯あって、あとお菓子も」
「多いわね」
「何かあちこちにお菓子の倉庫がありますね」
「ドウ一世はジンジャーブレッドの人でしょ」
「はい、身体が」
「ステッキは飴で砂糖布でボタンはドロップでね」
そうした人だからというのです。
「宮殿の中もなのよ」
「おもちゃやお菓子で一杯なのよ、それにお菓子はね」
「王様がお菓子の服を着ておられたりして」
「それと大臣が好きなのよ」
それでというのです。
「この国の道化大臣がね」
「あっ、チック=ザ=チェラブが」
「だからなのよ」
それでというのです。
「一杯あるのよ、あの子は遊ぶのも好きだから」
「おもちゃもですね」
「一杯あるのよ」
「そうなんですね」
「オズの国の王宮らしいでしょ」
トロットはにこりと笑ってカルロスに尋ねました。
「これもまた」
「はい、オズの国ならではですね」
「こうしてお菓子やおもちゃが一杯あるのもね」
「そうですよね」
「だからチックはいつも食べてるわよ」
そのお菓子をというのです。
「それに遊んでもいるわ」
「そうしてるんですね」
「ドウ一世は食べないけれど」
「ジンジャーブレッドの身体だからですね」
「食べる必要がないの」
それでおかし等を食べることもしないというのです。
「お菓子以外の何もね。飲むこともしないし」
「かかしさんや樵さんと一緒ですね」
「そうよ、オズの国の住人だからね」
「何も食べなくても飲まなくても平気ですね」
「あと寝ることもしないわ」
こちらの必要もないというのです。
「一切ね」
「本当にかかしさんや樵さんと一緒ですね」
「だからずっと遊ぶことも出来るのよ、あとね」
「あと?」
「若しお腹が空いている人がいれば」
ドウ一世がそうした人にお会いした時はといいますと。
「すぐにね」
「あっ、お身体や服やボタンをですね」
「そう、あげることも出来るのよ」
「そうなんですね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「沢山の人に美味しい思いをさせてもいるのよ」
「ご自身のお身体や持ちもので」
「そうした人でもあるのよ」
「偉大な人ですね」
そのお話を聞いて思わずこう言ったカルロスでした、皆と一緒にそのおもちゃ箱の様な宮殿の中を歩きながら。見れば内装もそうした感じで賑やかです。
「ドウ一世は」
「そうなの、自分のお身体や服はまた作ればいいってね」
「そうお考えで、ですね」
「そうしているのよ」
まさにというのです。
「今もね」
「そしてその偉大な方にですね」
「今からね」
お会いするというのです、そうしてでした。
一行は王の間に案内してもらいました、するとそこにはまずは全身がゴムで出来た熊と栗麻色の髪の毛に青い
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