第11話 鬼畜王戦争の記憶T
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ョンが浮かび上がってきた。
『え……? これは?』
何も聞かされていなかったウルザは首を傾げる。映し出されたのは ランス城の外の風景。そして高速でその景色が変わっていく。いまのランス城の位置から遥か遠くまで移動した所で――そこに二つの影があった。
見覚えのある影だ。魔法ビジョンに向かって高速で飛来し、迫ってくる様だった。背には翅があり纏っているのは炎と冷気。優雅とさえ言える光景。
それを見て青ざめるのはウルザ。
『直に魔人がここに攻めてくる。ラ・ハウゼル、ラ・サイゼル。魔人姉妹だ。そうだな時間にして30~40分と言った所か』
『って、そう言う事は直ぐに言ってください!! こんな広範囲まで警戒網を敷くなんで貴女しか出来ないんですから!!』
『ふはははははは! 言った所でどうする事も出来まい。スチールハートも言っておっただろう。大空を舞う事が出来る魔人。その移動範囲は甚大。最早逃げ切れるとは思えぬしな。無敵結界に対抗する術を持たぬ状態で、あの2人が同時に此処へ攻め入った時こそ、最早チェックメイトである、とウルザ・プラナアイスも言っておったと記憶しているが?』
『う……、そ、それは確かに……』
空に浮いている以上、確かに一度に受ける襲撃はたかが知れていると言える。空を飛ぶ事が出来る2人の魔人に狙われたら、そう簡単に逃げられるものじゃない。
『で、ですが ハウゼルさんは以前私達と共に……』
『そう甘い考えを持つのは危険だよシーラ』
『ハンティ様……』
シーラの言葉を遮る様にハンティが答えた。その隣のパットンも同じく頷いている。
『確かに以前は共に戦った間柄……だが、それは魔王不在と言う異例の時代における魔人の行動だ。……魔王の命令は絶対。命令内容が 殲滅、虐殺であれば それを躊躇ったりはしないと考えた方が良い。戦った仲、と言う事で慈悲で即死させてくれるかもしれないけどね』
『おいおい。物騒なことを言わないでくれよ ハンティ』
『その物騒なのが実現しそうだから困ってんじゃないかい。ハウゼル1人ならまだしも、サイゼルも一緒なんだ。完全なランス派の魔人の1人。……つっても、お仕置きが嫌だから、って理由が一番だろうけど』
こりゃ、困った――――と一同が口にする中ででも パニックを起こしたり、自暴自棄になったりする者は1人としていなかった。この中の全員が幾度も死地を乗り越えてきた歴戦の猛者なのだから。少なくとも、どれだけ絶望的であったとしても、諦めると言う言葉は彼らの頭の中にはなかった。
『危機的状況なのはどう足掻いても変わらん。そして、マスターオブネメシスの真の目的も判らん……が、どう言う訳か、こちらがピンチになれば大体は現れる男だ。今回は振りではなく、正真正銘の危機。現れる可能性は高い
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