どうやらあれが|覇龍《ジャガーノート・ドライブ》のようですよ
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。
ウィスはもう用はないとばかりにヴァ―リに背を向け、その場から立ち去ろうとする。
誰の目に見てもこの勝負、ウィスの勝利であった。
だが……
『……ケホッ、ゲホッ!…はぁ、はぁ、何処に行くんだ?』
『勝負は、まだ付いてはいない、はずだ……!』
身体から止めどなく流血しながらもヴァ―リは立ち上がる。
既に禁手が解除されているにも関わらず。
「……。」
ウィスは再びヴァ―リへと向き直る。
『オォォォ───!!』
既に限界であるのも関わらずヴァ―リは天高く叫び、己の力を奮い立たせた。
顕現するは白銀の鎧である白龍皇の光翼 。
白龍皇の禁手である。
だが覇龍でさえ太刀打ちできなかったウィスに対してそれは愚行だと言わざるを得ない。
そのことはヴァ―リ自身誰よりも理解していた。
現状の自分ではどうあがいてもウィスには敵わないことを。
だがそれでもヴァ―リはウィスへと挑み続ける。
それが自身の信念に他ならないのだから。
ウィスはヴァ―リのその果敢な姿に英雄の可能性を見た。
ならば此方も相応の力で応えるのが礼儀というもの。
『ハァァァァ───!!』
ヴァ―リはその満身創痍の状態で突撃してくる。
「ハァ!!」
途端、ウィスの紅玉の瞳が光り、神速のラッシュがヴァ―リへと叩き込まれた。
五臓六腑に染み渡る痛みをその身に受けたヴァ―リは為す術無く吹き飛んでいく。
その威力は凄まじく、周囲の全てを巻き込み、ヴァ―リの姿を消失させた。
『……。』
今度こそヴァ―リが立ち上がることはない。
だがウィスはそんなヴァ―リの姿を尊敬していた。
その無謀でありながらも格上に果敢に挑む英雄性に。
「何なのですか、今のは…?」
「うーむ、恐らく、神速のラッシュをあの白龍皇の小僧に無数に放ったのじゃ。あの一瞬でな。」
「サーゼクス、見えましたか?」
「いや、私も見えなかったよ。」
「おいおい、まいったぜ、こりゃ。圧倒的過ぎるだろ、あいつ。」
背後のサーゼクス達が何か言っているが、ウィスにとっては関係はなかった。
何故なら今から時を巻き戻すのだから。
これでヴァ―リの宣戦布告を受け、彼の求めに応じたことになるだろう。
それに良い運動にもなった。
遇には自分も戦わなければ勘が鈍ってしまうというものだ。
ウィスは地面に杖を二度打ち鳴らす。
途端、周囲の景色が巻き戻り、3分前へと
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