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オーバーロード 狼牙
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踏んでね。最近まで封印されてたんだけど、何とか戻ってこれた。大分、寂しい状態になっているけど、また皆に会えて嬉しいよ。改めて確認するけど、各階層に問題はなかった?」

階層守護者たちが順番に報告してくれ、幾つかの罠が、特にナザリックの外へと繋がる転移罠が稼働しないそうだ。

「そうか。となると大きな問題はアレだけに」

《ヴァイト様、ナザリックの外が確認できました》

セバスからの伝言が届いたのでそちらを先に確認する。

「セバスか、状況を知らせよ」

《はい。奇妙なことにナザリックの周囲が広々とした草原に変化しております。また、ナーベラルが空から確認した所、周囲3kmにコミュニケーションが可能な生命体は確認されませんでした。確認されたのは多少の小動物と昆虫程度です》

「なるほど。状況は把握した。時間はどうだ」

《おそらくですが月が傾き出した頃ですので、真夜中ではないかと》

「分かった。そのまま警戒を続けよ。何か異常があれば伝言で伝えよ。さて、モモンガ様。大きな問題はおそらくアレだけです。ナザリックの周辺が草原になっているのもアレが原因でしょう」

「うむ、やはりか。では私達の能力の低下も」

「それが原因でしょう。最も、低下と言うよりはリソースの再分配が正しいのでしょうが」

「あの、能力の低下とはどういうことでしょうか?」

「それを説明するためにも集まってもらった。ヴァイト、説明を任せる」

「はい、モモンガ様。我々至高の四十一人がリアルという世界とユグドラシルを行き来していたのは皆も知っていると思う」

階層守護者達が首を縦に振る。

「そしてユグドラシルとは、リアルに居た異界創造系に特化した者たちによって創造され、我々至高の四十一人はその異界を提供されていた側なんだ」

至高の四十一人よりも上の存在が居るということに驚いているが、無視して話を続ける。

「異界を提供されていた訳だが、リアルという世界は本当に厳しい世界なんだ。ほとんどが封印される魔法とスキル、汚染されきった空気や水、乏しい資源、強大で数の多い敵、他にも色々ある。そんな中、少しでも憩いの場となれる場所としてユグドラシルが提供されていたんだ。リアルには無い休める場として。だけど、リアルとユグドラシルを繋げる場と言うのは決まっていて、リアル側の地脈を流れる力が一定以上でなければ世界を超えることは出来ない。そして、そこを占拠されてしまえばリアルから敵が流れ込んでしまう。ユグドラシルを守るために我々以外の39人もリアル側から世界をつなげる場を破壊したのが、ユグドラシルから去っていった原因だ。我々で築き上げた宝物を守るために。子供であるNPC達を守るために。引退とは、そういう比喩だったんだ」

完全に嘘とはいえない
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