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164部分:ラグナロクの光輝その十八
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ラグナロクの光輝その十八

「右から敵を囲むのだな」
「ええ。そして」
「私と藩王が左」
「私達が左翼か」
「そして私が中央です。提督の突入の援護も後ろから受け持ちます」
「頼むぜ、それで」
 ジークムントはそれを受けて言った。
「ジュッセルドルフから敵が来てるからな。一気に決めねえと」
「その通りです」
「ではすぐに仕掛けるか」
「卿の手腕、見せてもらうぞ」
 六人はグラールのモニターから姿を消した。そしてそのまま戦いに入った。
 連合軍四十九個艦隊約二千五百隻は帝国軍三十個艦隊千五百隻と対峙した。連合軍は彼等を待つまでもなくすぐに動いてきた。
 まずはジークフリートの艦隊が帝国軍の前から姿を消す。やや大きく迂回して帝国軍の後ろに回り込みにかかる。これは帝国軍には察知されていなかった。
 帝国軍は連合軍が来たのを見て備えてきた。しかしその動きはあくまで防衛用であり、攻撃的なものではなかった。パルジファル達の予想通り彼等は守りに徹し、鎚と床の床になっていた。
「あくまで床に徹しますか」
 パルジファルはそれをグラールの艦橋から見ていた。そして彼等の布陣をモニターに映し出された映像から眺めていた。自軍が青、帝国軍が赤に三次元モニターで映し出されていた。
「それならば床を叩き潰すまでです」
「総帥、既に布陣は終えています」
「はい」
 報告に応える。
「後は」
「わかっています。では攻撃開始です」
「敵の防衛態勢はかなり堅固でありますが」
「それをこじ開ける為のヴァンフリート首領です」
 彼は言った。
「そしてヴェルズング提督もまた。やってくれます」
「では」
「はい」
 その間にもジークフリートの艦隊は動いている。モニターではもう帝国軍の後方に回り込んでいた。パルジファルの予想通りの機動力であった。これを考えてあえてジークフリートの艦隊には機動力に長けた艦ばかりを置いたのである。その狙いは当たっていた。
 パルジファルはモニターからジークフリートの艦隊を見ていた。そして今まさに完全に射程に入ろうとする絶好のタイミングでジークムントの艦隊も動きだした。
「見事です」
 パルジファルはジークムントの動きを見て言った。
「流石にわかっておられますね」
「総帥、今こそ」
「ええ」
 部下の言葉に頷いた。
「攻撃目標前方の敵艦隊」
「攻撃目標前方の敵艦隊」
 命令が復唱される。
「ヴェルズング提督の艦隊、敵の射程内に入ります」
「はい」
「そしてヴァンフリート首領の艦隊が今」
「わかりました」
 パルジファルは右手を大きく掲げた。
「射程は」
「合わせています」
「ヴェルズング提督の艦隊、射程に入ります」
「敵艦隊、攻撃態勢に入っております」
「よし、今です。撃て!
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