第38話 フォークの異変
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「軍医のヤマモトです。患者は何処ですか?」
「此処で倒れている」
軍医が“目が見えない”あががが”ヒーッ”など叫ぶフォーク中尉をストレッチャーに乗せて医務室へ連れて行った。
いったい何が起こったのか3人が話しながら待っていると、話を聞きつけたグリーンヒル、リーファ、ヤン、ワイドボーン達がやって来たために経緯を話している間に軍医がやって来て、フォークの異変の状態を報告してきた。
「軍医、フォーク中尉の様態は?」
「はい、現在鎮静剤で寝かしておりますが、病状的に言いますと、転換性ヒステリーによる神経性盲目と思われます」
「何だねそれは?」
「我儘一杯に育った幼児に時としてみられる症状で、転換性ヒステリーで目が見えない状態になります」
「「「「「はぁ?」」」」」
思わずリーファ達が疑問に声を上げてしまったが、シトレは落ち着いて話を聞く。
「治療法はあるのかね?」
「有ること有るのですが、彼に逆らわないこと、我が儘一杯に言う事を聞くしか有りません」
リーファが此処一番の台詞を述べる。
「本部長閣下、敵にフォーク中尉の病気を治したいから態と負けたふりをして下さいと連絡でもしますかね」
その言葉に全員が苦笑いする。
ワイドボーンが良い台詞を見事にゲットした。
「おもちゃが欲しいとおもちゃ屋の前で泣き叫ぶ幼児ぐらいのメンタルの男が作戦参謀を気取って作戦私案を最高評議会に提出するとは、世も末ですね」
その言葉にはみんなが頷いている。
シトレが決意を新たに話し始める。
「今後フォーク中尉の様な事が起こらないように全軍が纏まって隙を見せないようにしなければな」
その後フォーク中尉は持病の結果、長期養生を命じられ軍務の第一線から消えることになった。
本来であれば予備役編入が妥当であったが、他の養生者達に迷惑かかる可能性が有るため、これが精一杯の処置であった。
後にこの処置が仇となって帰ってくるのであったが、この時その危険性を考えていたのはリーファだけであったために、強く主張することは出来なかった。
後にリーファは、この時フォークを完全に潰さなかった事を後悔する事に成る。
帝国暦483年8月5日
■フェザーン自治領 自治領主オフィス アドリアン・ルビンスキー
フェザーンでは、アドリアン・ルビンスキーが補佐官ニコラス・ボルテックの報告を受けながら今後のことを考えていた。
「同盟からの捕虜交換の申し出を帝国は受諾するそうです」
「そうか、やはり帝国の損害は予想通りだと言う訳か」
「この所、イゼルローン方面へ向かう貨物が増えていますので」
「遠征でもないのにかなりの艦隊がイゼルローンヘ移動もしてるからな」
「はい」
「幾ら秘匿の為に我らフェザーン関係
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