戦線復帰
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前に見える受付に向かう
「横須賀鎮守府所属、久保です。迎えにあがりました」
「久保さんですね、あの子が待ってますよ」
笑顔でそう言われるが、俺は苦笑いで返す
「病室は8階の825号室になっております。他の患者はいませんので、お気になさらず」
「そっか、ありがとう。」
俺は二人を呼び、エレベーターへと乗り込む
8階を押してドアが閉まる
ふと曙がなにかを思い出したかのように話しだした
「そういえばなんで病院なんかに?別に悪い所が...サボり癖でも直しに来たの?」
「病院で直ったら苦労しないわよ」
霞が一刀両断。
「まあ、今回は診療に来たわけではないから安心しろ、まあ受けてもいいけどな」
「遠慮しとくわ」
「必要ないわよ」
「注射怖いのか」
「「怖いわけないでしょ!!」」
二人声を揃えて否定された
二人をからかっていると8階へと着いた
「825...真逆かよ」
ちょうど反対側、コの字型になっているので地味に遠い
俺は呑気に歩きながら白い道を進む
8階だから結構な高さがあり、横須賀が一望できるくらいの高さがある
窓から外を見ながらゆっくりと向かう
「今日はなんで病院に?」
次は霞が理由を聞く
「今日は、退院。お迎えに来てんだよ」
「そっか、私達に関係のある?」
「お前らが一番関係のある、だな」
右に見える端の部屋、825号室
札には何もかかれておらず、誰がいるのかがわからない
カラカラっと音を鳴らして看護師が出てきた
「あら、お迎えか。お疲れ様です」
「お疲れ様です。ほら二人とも先に入った入った」
「ちょっと、提督は?」
「後で来るから、先入っといて」
二人の背中を押して中に入らせる
「よかったのですか?」
「いいんだよ、俺は邪魔者だからな」
「あらら、では私と話します?」
妙に色気のある看護師と壁にもたれながら小さな声で喋り始めた
「あの二人はどんな子なんですか?」
「いい子だよ、すごく。うちにいるのがもったいないくらい、だけどあの二人には、もう二人の影響があってこそのいまの彼女らなんだよ」
「もう二人ですか?」
「そう、一人は助けることはできなかった。けどもう一人は、そこにいるからね
俺は目で825号室を見る
「二人にとって、とても大切な存在だったんですね」
「俺なんて比べ物にならないくらい...ね」
積もる話もあるだろうから、あえて二人を先に行かせた
「まだ俺の出る幕じゃないからここで大人しく待ってるってわけだ」
「そこまで考えてくれる上司もとても大切な存在だと思いますよ」
看護師はニコッと微笑んでそう言った
壁から背を離すと名も知らぬ看護師は仕事に戻りますね、とだけ言ってまた歩いて行った
「大切な存在...ね」
俺はその言葉を深く心に刻んでおくことにし
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