第31話
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「マキアス……!」
リィンが”Zの輪”を起動すると眼鏡の青年―――――旧Z組メンバーの一人にして”革新派”の有力人物である帝都知事の息子のマキアス・レーグニッツの顔がARCUSUに映った。
「少し遅い時間だが大丈夫だったか……?って、顔が少し赤いみたいだが。」
「ああ……付き合いで飲んでちょうど帰ってきたところさ。」
「そうか……お互い成年だもんな。僕の方も、職場の付き合いでそこそこ機会があってね。今度会ったら一緒に飲もう。当然、他のメンツも合わせて。」
「はは、ちょうど同じことを俺も思っていたところさ。―――仕事、忙しそうだな?よりにもよって”監査院”だもんな。」
「やりがいはあるさ。君の所と同じくらいには。予想通りというか……色々と透けて見え始めてね。やり応え半分、手を出せないジレンマ半分って所かな。」
「それは……大変だな。」
マキアスの現状をしったリィンは同情の視線でARCUSUに映るマキアスを見つめた。
「はは、お互い様だろう。」
「―――エリオットから先日のサザ―ラントの件は聞いたよ。結社の動きに、政府の思惑……キナ臭くなり始めるみたいだな?」
「ああ………予想通りと言うべきか。来週には次の地方演習もあるし、何かあれば見極めてみるつもりだ。」
「フフ、それなんだが……―――君達の演習先に僕も出張で行くかもしれない。」
「そうなのか……!?って、俺もどこになるかまだ聞いていないんだが……」
「そうなのか?次の君達の演習先は場所が場所だから既にプリネ皇女殿下達あたりから聞いていると思っていたのだが……」
「マキアスく〜ん、いるかーい!?いるんなら付き合いたまえ〜!無礼講と行こうじゃないか〜っ!」
自分の話を聞いて驚いている様子のリィンを見たマキアスが意外そうな表情を浮かべたその時、通信先から別の男性の声が聞こえてきた。
「ライナー先輩?ちょ、ちょっと待ってください!」
「いいかいマキアスくん!僕はね、僕達はねえっ……!」
「……すまない、また連絡する。」
「はは……明日には演習地もわかるから俺の方から連絡するよ。」
「わかった。―――おやすみ、リィン。」
リィンがマキアスとの通信を終えた瞬間、再び”Zの輪”が起動する音が聞こえ始めた。
「一晩に2回も来るなんて、初めてだな………―――――あ………」
再び”Zの輪”を起動したリィンはARCUSUの映像に映った緑髪の女性――――元”特務部隊”の”参謀補佐”を務め、現メンフィル皇帝シルヴァン・マーシルンの側室の一人にしてシルヴァンを守護する親衛隊を率いている3人の将軍―――”皇帝三軍将”の一人でもあり、訓練兵時代のリィンとステラの恩師でもある”
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