第六幕その十
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「これはいいことがあるってね」
「思えたのね」
「そうだったんだ」
「それでなのね」
「今もね」
トロットと一緒に白鳥を見てというのです。
「幸せな気分になれてね」
「それでよね」
「幸せが訪れる」
「そうも思えるわよね」
「うん、トロットと同じだよ」
そうだというのです。
「わしもね」
「一緒ね、私達は」
「このこともね」
「キャプテンとはアメリカから一緒で」
「今も一緒で」
「何かと波長もあって」
「歳は違っていても」
親子程離れています、実際に親子に間違われたこともあります。
「友達だね」
「今もね」
「そうだね」
「ええ、私はオズの国に来て沢山のお友達に出会えたけれど」
「わしもだよ」
「キャプテンは一番古いお友達よ」
トロットにとってそうした人だというのです。
「他の人達と同じだけね」
「大事でそうして」
「親しくてね」
そしてというのです。
「誰よりも一番古い」
「お互いにそうだね」
「私もキャプテンの一番古いお友達なの」
「子供の時や若い時も沢山の友達はいたんだがね」
それでもというのです。
「その皆は外の世界にいるからね」
「オズの国ではなのね」
「トロットがそうだよ」
キャプテンにとってというのです。
「一番古いお友達だよ」
「そうなのね」
「そう、トロットがね」
お互いにそうなのね」
「わしだけがオズの国に来ていても」
「仕方がなかったっていうの」
「果たしてどうなっていたか」
「わからないのね」
「とてもね」
「そう言われたら私もよ」
トロットはオークに乗ってやって来た時を思い出していました、オズの国にはじめて来たその時をです、
「とてもね」
「一人だとだね」
「どうしたらよかったか」
「あの時はどうなるかって思ったね」
「次から次に信じられないことが起こって」
今思うとそうしたこともオズの国の普通のことなのですがその時のトロット達にとってはとても、ということだったのです。
「それでね」
「若しトロットだけだったら、そしてわしだけだったら」
「困っていたわね」
「そうだったね」
「あの時に比べたらオズの国も安全になったわね」
「遥かにね」
「危険の連続だったから」
死ぬことはない国ですが危険はあるのです。
「それでね」
「どうしてもね」
「二人でこの国に来たから」
それでなのです。
「やっていけて今もね」
「一緒にいてだね」
「安心出来るわ」
「わしもだよ、友達がいてくれるから」
キャプテンも暖かいお顔でトロットに応えます。
「安心出来るよ」
「そうよね」
「そう、友達はこれ以上はない宝なのだよ」
教授も言ってきました。
「学問以上にね」
「教授にとって
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