最終章:夢を追い続けて
第70話「圧倒的。故に天才」
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」
「隙ありだ」
こうして、拮抗していたと思われる攻防は、あっさりと崩れる。
「ぐっ……!」
僅かな隙を突かれ、俺は蹴り飛ばされた。
床を転がり、その勢いを利用してすぐに立ち上がる。
「っぁっ!!」
「ふっ!」
ギィイイイン!!
だが、立ち上がった瞬間に攻撃を防ぐ事になり、再び俺は体勢を崩す。
「ぉおおっ!!」
「っ!」
ギィイン!!
そして、次の追撃を……無理矢理防ぐ。
崩れそうになる体勢を、前に踏み出して無理矢理整える。
さらに、そこから今まで以上に鋭い一撃を放ち、相殺する。
「ぐ、っ……!」
「っ、そこからそう来るか……!」
何とかこの場は凌げたが、まだまだ劣勢だ。
俺の全てを賭しても勝てないほどの実力を持つ桜さんに勝つには……。
「(全てを賭した上で、限界を超えなければならない……!)」
一撃一撃を交える度に、痛感する。
俺の才能のなさを。桜さんの強さを
この覆す事を考えることすら烏滸がましい程の実力差を。
そして、何よりも“天才”というものを。
ギギギ、ギィイイイン!!
「っっ……!」
またもや押し負けるようにブレードが弾かれる。
即座に飛び退く事で、追撃は避けておく。
「ああっ!!」
ダンッ!ギィイン!!
そして、その直後に前進。
即座にブレードを振るう
「っ、はっ!!」
「ッ……!」
受け止めた勢いを利用して桜さんは薙ぎ払うようにブレードを振るう。
ギリギリしゃがんでそれを躱し、間合いがブレードでは近すぎる程に縮まる。
「ふっ……っ……!」
その状態から放つブレードの柄による打突。
だが、それは容易く受け止められる。
「っ……ぐっ……!」
それどころか、受け止められたせいで反撃の蹴りを躱せずに食らってしまう。
幸い、ガードはできたものの……。
「っつ……!」
腕に走る痛みに、顔を顰める。
ただでさえ実力に差があるのに、さらにハンデがついてしまった。
「(ああ、まったく、嫌になるぜ……)」
諦めるつもりは毛頭ない。
だけど、それでも思い知らされる。
「(……これが……天才……!)」
天才と、凡人の圧倒的差というものを。
「ぐ、がぁっ!?」
………また、床を転がる。
「くっ……!」
「遅いぞ」
「ぐぅっ……!」
起き上がって攻撃を凌ぎ、また床を転がる。
……途中から、この繰り返しだ。
「(ここで地力の差が出てきたか……!)」
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